モウリーニョもマンUも「ノーサンキュー」“なびかない”22歳のFWの心意気

2016年06月17日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

大物代理人の誘いを断り続けて――。

大物代理人メンデスの誘いに「ノー」を繰り返すヤンセン。若いながら明確な価値観とポリシーを持っているようだ。 (C) Getty Images

 モウリーニョ? ノーサンキュー。少なくとも今のところは――。
 
 オランダのAZで15-16シーズンに27ゴールを挙げたフィンセント・ヤンセンは、エールディビジで最も注目を集めている22歳の若手ストライカーだ。
 
 業界で最も重要かつ影響力の強い代理人ジョルジュ・メンデスが、そんなタレントを黙って放っておくはずがない。自らの顧客であるジョゼ・モウリーニョ率いるマンチェスター・ユナイテッドへの移籍を「餌」に、自分と代理人契約を結ばないかと熱心にアプローチをかけている。
 
 しかしヤンセンは、その誘いを断り続けている。現在の代理人を切ってまでメンデスの傘下に入ることに納得していないのだ。その現代理人を通してすでにトッテナムとの話し合いが進んでおり、交渉は佳境に入っている。
 
 ノー・メンデス、ノー・ユナイテッド。ヤンセンは若いながら、フットボール界の大物に誘われても簡単にはなびかないほど、伝統的で明快な価値観とポリシーを持っているようだ。少なくとも今のところは――。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
 
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