【FC東京】「リーグワースト3位の総得点をどう思う?」に、ベテランの羽生が味わい深い回答

2016年06月17日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「見ている人は歯がゆいかもしれないけど…」

ベテランの羽生の言葉には少なからず説得力がある。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 6月15日にホームの味の素スタジアムで行なわれた広島戦(10節延期分)は、1-1のドロー。またしても決定力を欠いたFC東京は、J1の14試合を消化して中位以下の12位に甘んじている。
 
 フィッカデンティから城福監督に政権交代した今季のFC東京は、指揮官が掲げる「アクションフットボール」(攻守両面で能動的なプレーを増やす)にチャレンジしながらもリーグ戦で思うように白星を掴めず、リーグ戦でこのところ低空飛行を続けている。
 
 不振の一因は、得点力不足。今季ここまでの総得点12が15位の鳥栖(8ゴール)、18位の福岡(9ゴール)に次ぐリーグワースト3位という事実からも、それは窺えるだろう。
 
 実際、今季のFC東京は決められそうで決められないシーンが多々あるが、その「総得点12」をベテランの羽生はどう捉えているのだろうか。
 
「もっと迫力のある攻撃や、もっと工夫してアタッキングサードを攻略できればとは思いますけど。まあ、(シーズンの開幕当初に)スタートダッシュできなくて、自分たちから崩れた序盤戦があったので、『今まずやらないといけないことは?』というのをみんなで確認してやっている。
 
 そのなかで誰が出ても、どこと戦っても、守備がコントロールできると思った中でもう少し上積みができるように、もっと手応えを持っていけるように、そういうところは少しずつやれればと思っている。
 
 今はどうしても自分たちから崩れたくないというのが大きいので、今のメンバーは個性も強いですけど、まずはハードワークするというのをみんなで確認しあっているところ。見ている人は歯がゆいかもしれないけど、自分たちこそ2-0、3-0というゲームができればいいと思っている。その前にまずやられないという部分を大事にしています」
 
 羽生が言うように「歯がゆいかもしれない」が、簡単に裏を取られていたシーズン序盤よりも守備は明らかに良くなっている。アンカーに高橋を置いて以降は失点が減り、ここまでの総失点13は3位の浦和(8失点)、2位の鹿島(9失点)に次ぐリーグ3位タイと堅守を誇っているのだ。
 
 守備が安定しているのに攻撃に重心を傾けたら、むしろチーム全体のバランスが崩れる恐れがある。そうした危機感を、羽生は抱いているのだろう。ディフェンスの組織をいじらず、どう効率よくゴールを奪っていくかがFC東京の当面の課題と言える。
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