【EURO 今日は何の日】6月16日「フランス&デンマーク――大量得点の1日(84年)」

2016年06月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

攻撃的な4か国が集ったグループの6試合総得点は驚異の23!

このベルギー戦で早くも4得点のプラティニ。神懸かり的な活躍を見せた彼はこの後、さらに5つのゴールを挙げることになる。 (C) SOCCER DIGEST

 EURO84では、8チームが2組に分かれてグループステージを戦ったが、グループ1と2では、繰り広げられた試合の内容が実に対照的なものとなった。
 
 スペイン、ポルトガル、西ドイツ、ルーマニアで構成されたグループ2は堅実な試合が多く、6試合の合計得点は9であり、最多でもスペインの3ゴールというもの。対するグループ1で決まったゴールの合計は、なんと倍以上の23(!)だった。
 
 開催国フランス、デンマーク、ベルギー、ユーゴスラビアという、攻撃的なチームが揃ったとはいえ、ここまでゴールが決まるとは……。何しろ、フランスだけでグループ2の総得点と同じ数字を記録したのである。
 
 第1節、フランスはデンマークとの白熱した開幕戦を1-0で制し、ベルギーはユーゴを2-0で下していた。
 
 そして迎えた第2節。6月16日に行なわれたグループ1の2試合で、壮大なるゴールショーが展開された。
 
 最初はフランス対ベルギー戦だ。口火を切ったのはミシェル・プラティニ。3分、FKからアラン・ジレスの強烈なシュートがクロスバーにはね返されたところを拾い、軽やかなステップから左足でゴール左隅に叩き込んだ。
 
 32分にジレスのループ気味のシュート、44分にルイ・フェルナンデスのヘッドで追加点がもたらされ、前半のうちにフランスは勝利を決めてしまう。
 
 しかし、攻撃の手を緩めず、74分にプラティニがGKジャンマリー・プファフの逆を突いたPKを決め、さらに彼は終了間際にもFKからよくコントロールされたヘディングシュートを放ち、ハットトリックを達成した。
 
 5-0の完勝。ゴールだけでなく、試合を通してフランスの芸術的な攻撃が展開されたことで、ナントのスタジアムは大いに盛り上がった。
 
 この試合から3時間後、ナントから600キロほど離れたリヨンでは、デンマークがユーゴ相手にゴールの山を積み重ねていく。
 
 バロンドール受賞歴もあるエースのアラン・シモンセンを開幕戦の骨折で欠いたデンマークだが、その攻撃力が低下することはなく、開始7分、フランク・アルネセンが強引な突破を試み、角度のない位置からGKの意表突くシュートで先制点を奪った。
 
 18分には、猛威を振るった2トップ、エルケーア・ラルセンとミカエル・ラウドルップのコンビプレーでこぼれた球を、猛然と突っ込んだクラウス・ベアグレーンが押し込んでリードを広げる。
 
 ユーゴも反撃を見せ、何度も得点機を得るも、デンマークのGKオレ・クビストにそれらを阻まれる。後半もさらに攻勢を強めてゴールを狙ったが、逆に67分、PKを与えてしまう。これをアルネセンに決められた時点で、ほぼ勝敗は決した。
 
 しかし、勢い付いたデンマークは止まらず、オープンな攻め合いのなかで、82分にエルケーア、その3分後にはヨーン・ラウリドセンが追加点を奪い、最終的にリードを5点に広げて大勝を収めた。
 
 同日開催の2試合でともに5点が入るとは、そう滅多にあるものではないが、この3日後に行なわれたフランス対ユーゴ戦、デンマーク対ベルギー戦のスコアは、ともに3-2。またしても、10ゴールが生まれたのだった。
 
【回想】ファン・バステン(88年)、ガスコイン(96年)の美技
 
◎6月16日に行なわれた過去のEUROの試合
◇1976年ユーゴスラビア大会
準決勝
チェコスロバキア 3(延長)1 オランダ
 
◇1984年フランス大会
グループステージ
フランス 5-ベルギー
デンマーク 5-ユーゴ
 
◇1996年イングランド大会
グループステージ
ドイツ 3-ロシア
クロアチア 3-デンマーク
 
◇2000年ベルギー・オランダ大会
グループステージ
フランス 2-チェコ
オランダ 3-デンマーク
 
◇2004年ポルトガル大会
グループステージ
ギリシャ 1-スペイン
ポルトガル 2-ロシア
 
◇2008年オーストリア・スイス大会
グループステージ
クロアチア 1-ポーランド
ドイツ 1-オーストリア
 
◇2012年ポーランド・ウクライナ大会
グループステージ
チェコ 1-ポーランド
ギリシャ 1-ロシア
 
※日付は全て現地時間
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