「独壇場だった」「制御不能、魔法の力を持つ」鮮烈ゴラッソの久保建英をソシエダ番記者が手放しで絶賛! 一方で一部ファンからの批判には苦言「正当に評価されていない」【現地発】

2025年01月16日 ミケル・レカルデ

「タケはトップレベルの選手だ」

古巣のビジャレアルから圧巻のゴラッソを決めた久保。(C) Getty Images

 完全に独壇場だった。タケ・クボ(久保建英)はこの活躍に値する。にもかかわらず、彼の数字が圧倒的なものでも決定的なものでもないため、レアル・ソシエダが誇る宝が正当に評価されないことが多々ある。

 タケはトップレベルの選手だ。市場の注目銘柄であり、古巣のレアル・マドリーもサイドにワールドクラスの選手を揃えているにもかかわらず、今なおその動向を注視している。

 タケが今シーズンもアノエタでプレーしているのは、ソシエダのスポーツ部門がレンタル生活を続けていた彼に着目し、大きな賭けをしたからだ。聡明で将来のビジョンを明確に描くタケは、キャリアのピンチを救ってくれたことに感謝し、ソシエダでプレーし続けている。代理人の意向通りに動いていたら、とっくに去っていたことだろう。
 
 タケはそのカテゴリーに相応しい評価を受けなければならない。しかしソシエダのファンの間ですら、「エゴが強い」、「良い日と悪い日の差が激しい」、「スイッチを入れる試合を選んでいる」といった誤った烙印を押す輩が存在する。タケほど強力な牙を持った選手はチームには見当たらないにもかかわらず、だ。

 もちろん毎試合、ハイパフォーマンスを見せるわけではない。閃き、調子、チームの勢い、相手の守り方&守備の強度などさまざまな要因によって左右される。それは全てのサッカー選手に共通することであり、その中でもタケは別格なのだ。

 魔法の力を持ち、制御不能で、一瞬で試合を決める。ビジャレアル戦のように。タケがソシエダのスター選手と呼ばれるのは、決して偶然ではない。異質な存在だ。ボールが彼の足元にあるとき、何が起こるか分からない。

 51分だった。その瞬間、ミケル・オジャルサバルは、スプリントしているタケの姿をほとんど見ていなかった。大きく敵陣めがけてロングボールを蹴り込むと、タケは元チームメイトのダニエル・パレホより一瞬早くボールに触ると、そのままペナルティエリアに侵入。いったんギアを落とした後、前を塞いだキコ・フェメニアの股を抜いて、左足でシュートを流し込んだ。

 ゴラッソだった。もしかしたら、彼がソシエダに来てからのベストゴールかもしれない。違いを生み出す選手とはこういうものだ。
【動画】ヤマルやエムバペ級と現地メディアが絶賛!久保建英の鮮烈ゴラッソ

次ページ交代でピッチを退くまでハードワークし続けた

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