「日本代表戦レベルの混み具合」「スポーツの枠を越えて文化に」決勝の観客数が“5万8347人”の高校サッカー選手権は「世界に誇れるアマチュアスポーツ」

2025年01月14日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

なでしこジャパンの観客数は…

流経大柏との激闘を制した前橋育英。素晴らしい決勝戦だった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権・決勝]前橋育英(群馬)1(9PK8)1流経大柏(千葉)/1月13日/国立競技場

 2025年1月13日、高校サッカー選手権の決勝当日、千駄ヶ谷駅から国立競技場に向かう道程でこう思った。「日本代表戦レベルの混み具合だ」と。

 チケットはソールドアウトで開催場所が国立競技場なのだから5万以上は入るのかなと勝手に予測しながら、記者席に座ると、分かっていながらも眼前の風景に圧倒された。観客で埋め尽くされたスタジアム。これが高校生の大会なのかと、なぜ冬の選手権はこんなに人気があるのかと。毎年のように、こんな感想を抱く。

 公式記録の観客数は5万8347人。試合中、「日本代表戦よりも入ってるんじゃないの?」との声が記者席の隣から聞こえてくる。ちなみに、昨年10月26日のなでしこジャパン対韓国女子代表戦の観客数は1万2420人(2層と3層は開いていない)。そうした事象も踏まえると、選手権人気は異常と改めて感じた。

 高校サッカー最高峰の大会はU-18プレミアリーグだが、世間的な知名度はダントツで「冬の選手権」。日本サッカー協会によれば、今大会の決勝は海外初の試みとしてタイでもライブ配信された。今回で103回目の選手権は言うまでもなく日本のカルチャーとして定着している。

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 決勝を終えたあと、流経大柏の榎本雅大監督は「U-18プレミアリーグもある中で選手権の意義や価値をどう思いますか」との質問に対して次のように答えてくれた。

「改めて思うのは、高校サッカーがスポーツの枠を越えて文化になりつつあるということです。日本が世界に誇れるアマチュアスポーツだと感じていますし、たくさんのお客さんに見ていただいて、たくさんのメディアの方々に取り上げていただいて、たくさんの方に支えられています。今後、200回、300回と続いていく大会だと考えていますし、僕たち指導者、選手たちはもっと良い物を作れると信じています」

 今回の決勝戦を見て高校サッカーに魅了された方は少なからずいたはずだ。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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