大会屈指の強度を誇る流経大柏。東海大相模は自慢のポゼッションサッカーでかいくぐれるか【選手権・準決勝展望】

2025年01月10日 森田将義

キーになるのはキャプテンの2人体制

1月11日の準決勝で激突する流経大柏(上)と東海大相模(下)。写真:田中研治・金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

「高校サッカーは最高です。気持ちいい」。3回戦で優勝候補の本命と目された大津高に2-1で勝利し、流通経済大柏高の榎本雅大監督が興奮気味に口にしたのが印象的だった。

「正直(大津と)スタイルは似ていると思っていた」と榎本監督が振り返る通り、ともに自陣からテンポ良くボールを動かしながら、背後への抜け出しに長けた前線に入れるのがスタイル。流経大柏はFW山野春太とFW粕谷悠の2トップにクサビを入れて、果敢にゴールへと迫るが、セカンドボールの奪い合いもMF稲田斗毅とMF飯浜空風が一歩も引かない。高い位置でマイボールにしてからは、技術とアイデアに長けたJ2富山内定のMF亀田歩夢とMF柚木創が個とグループで相手の守備を切り崩していく。

 大津戦では前半に先制しながら追いつかれる展開となったが、失点直後に勝ち越しゴールをマーク。「追いつかれた後が今日、選手たちが成長した部分。プレミアだと持っていかれることが多かった」と指揮官が称えたように、粘り強さ、勝負強さが今大会になって身に付きつつあるのは大きい。2020年に榎本監督が就任して以来、課題だったトーナメントでの勝負弱さは過去の話だ。
 
 今年のチームを語るうえでキーになるのはDF佐藤夢真とDF奈須琉世によるキャプテンの2人体制。「個性が強いので、なかなか一人が言っても言うことを聞かない。横から差し込めれば、まとまるかなと思った」(榎本監督)との理由で採用された体制がここに来て、生きている。

 シーズン当初は怪我で出遅れた佐藤がプリンスリーグ関東2部を戦うBチーム、那須がプレミアリーグを戦うAチームを引っ張ってきた。秋以降、佐藤がAチームに合流したが、頼れるキャプテンに牽引された40人近い選手が成長し、チームの競争力に繋がっている。

 3回戦ではキック力を買われ、右SBで起用されたCBのDF富樫龍暉が先制点をアシスト。準々決勝では今季初スタメンのDF渡邊和之が2アシストを記録している。今大会、チームトップの4点を奪う山野はプレミアで5試合しか出場していない選手でもあり、誰が出ても高いクオリティを保ちながら、日替わりヒーローが出やすい土壌は準決勝でも力になるだろう。

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