ポグバはプラティニやジダンになれるのか? フランスのEURO制覇の最大の鍵はそこにある

2016年06月14日 白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

国民の人気、つまり期待値はすこぶる高い。

開幕戦は不完全燃焼に終わったポグバ。6月15日のアルバニア戦では本領を発揮できるか。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 6月10日のオープニングゲームでルーマニアを2-1で下した開催国フランス。6月15日の2節アルバニア戦を含めた今後に向けてキーマンにあるのが、ポール・ポグバだ。
 
 開幕戦は前半こそ長短のパスが冴えてフランスの好機のほとんどに絡んでいたが、相手の包囲網が厳しくなって存在感が薄れた後半は56分の惜しいボレーシュートが唯一の見せ場。77分に途中交代を命じられた。その時点でスコアは1-1。ディディエ・デシャン監督のこの日のポグバに対する評価が伺えた。
 
 たしかに、「大会を彩る主役の一人」、「フランスの組み立てから崩しに変化をもたらす最大の切り札」という前評判を考えれば、開幕戦のポグバは物足りなさが否めなかった。1ゴール・1アシストと大車輪の活躍を見せたディミトリ・パイエに、いわば主役の座を譲った格好だ。
 
 しかし、会場に詰め掛けたサポーターが身に付ける最新ユニホームで一番目立っていたのは、背中に「POGBA」とプリントされたモデルだった。フランス国民の人気、つまり期待値はすこぶる高い。
 
 ちなみに、レトロ・ユニホームで最も目に付いたのは「PLATINI」と「ZIDANE」。ミシェル・プラティニはEURO1984、ジネディーヌ・ジダンは1998年ワールドカップでフランスを頂点に導いた国民的英雄だ。ポグバにとってはいずれも、ユベントスの大先輩でもある。
 
 同じく自国開催の今大会、かつてのプラティニとジダンのような他を圧倒するパフォーマンスを見せられるのか。今後はパイエのマークが厳しくなるのは目に見ており、フランスが攻撃力を保つにはポグバの打開力が欠かせない。
 
 フランス戴冠の最大の鍵は、間違いなくこのモンスターが握っている。
 
現地取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)
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