「素晴らしい。さすが日本代表のCBだな」変貌したボルシアMGの“守備の要”板倉滉に対戦した日本人FWも脱帽「対人でも何もやらせていなかった」【現地発コラム】

2024年12月20日 中野吉之伴

「ボールを要求する選手が増えている」

ボルシアMGの最終ラインを統率する板倉。(C)Getty Images

 日本代表DF板倉滉がプレーするボルシアMGは今シーズン、まずまずの結果を残している。

 14節終了時で6勝3分5敗の勝点21。順位は11位ながら、5位のフライブルクとの勝点差は3と上位争いに参戦できる位置につけている。

 2部3位との入れ替え戦に回る16位とわずか1ポイント差の14位でギリギリ残留を果たした昨シーズンとの違いはどこにあるのか。

 就任2年目のジェラルド・セオアネ監督がようやく安定感のある布陣と組み合わせを見つけたこと、そしてスタメンで起用される全選手に確かな守備意識が備わってきているのが大きい。

 エースとしてゴールを量産するドイツ代表FWティム・クラインディーンストが「ピッチにいるみんなが守備で汗かくことへの意欲を持ってプレーしている」と話すように、チームとして攻守のバランスが劇的に改善されている。やるべきことが明確に整理されつつあることで、先制点を許しても、リード後に失点してもバタバタする悪癖がなくなってきている。
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 板倉もそこに手ごたえを感じている。

「それは自分も感じている。ここまで勝点を積み重ねられているところとつながっていると思う。自信をもってみんなプレーしているな、ボールを要求する選手が増えているなって感じている。今日も2―1となって、(以前だったら)バタついてもおかしくなかったかもしれないけど、そこでぜんぜんやること変えずにできていた」

 町野修斗がプレーするホルシュタイン・キールに4-1で快勝したあとのコメントだ。開始36秒でクラインディーンストが幸先よくゴールを決めると、前半で3-1。後半も危なげなく試合を運び、追加点を挙げて試合を決めた。

「あんな立ち上がり早々入ると思ってなかったし、快勝ですね。ゴール以外にもチャンス結構あったし、今日はいつもより点数も入った」

 守備の要である板倉もポジティブな感触ににっこり。昇格組で残留争い真っ只中のキールは自陣ゴール前で守備を厚くする専守防衛からロングボールを飛ばしてカウンターの戦い方を模索している。ゴール前に人数をかけられるとチャンスに結びつけるのは難しい。そんな試合展開で板倉はどのように打開策を見出そうとしていたのか。

「すごく中を固めていたから、サイドで揺さぶりつつ、サイドからクロスを狙う。クロスでチャンスできていたところがあった。ただそれだけじゃなくて、間のところを狙っていかないといけないだろうなと思っていたのでそこは狙いつつ。あとは変にテンポとかゆっくりにならないように意識して」
 

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