平畠啓史セレクト! J1年間“至極の11人”|一番印象に残ったのは広島の中野。輝き続けた浦和の渡邊、町田の躍進に不可欠だった守護神も

2024年12月13日 平畠啓史

東俊希はもっと評価が高くても不思議ではない

平畠氏がセレクトした2024シーズンのJ1年間ベストイレブン。(C)SOCCER DIGEST

 毎月、勝手にJ1リーグのベストイレブンを選んでいるが、今回は「Jリーグアウォーズ」でベストイレブンが発表されたところなので、そのベストイレブンには選ばれなかったものの、今シーズンの活躍が顕著で記憶にとどめておきたい選手をピックアップしてベストイレブンをセレクトしてみたい。

 GKは町田の谷晃生。37試合出場で32失点。J1初挑戦ながら3位に躍進した町田を後方から支えた。ボールに対し無駄のない動きで反応し、失点を防いだ谷。今シーズンの町田において欠かすことのできない守護神だった。

 DFの右には広島の中野就斗。全試合スタメンで5ゴール・5アシスト。攻めて良し、守って良し。サイドからドリブルで仕掛けられるしシュートも強烈。3バックの右やセンターに入った時の対人の守備の巧みさ、そして攻撃参加時の爆発的な走力。あらゆるプレーのレベルが高く、攻守にアグレッシブに戦う広島の象徴のような存在だった。

 左には同じく広島の東俊希。全試合出場で2ゴール・8アシスト。精度の高い左足から何度もチャンスシーンを作った。37節・札幌戦、8分の加藤陸次樹へのアーリークロスは圧巻。もっと評価が高くても不思議ではない選手だ。
 
 センターバックは神戸の山川哲史と鹿島の植田直通。ワンランクもツーランクも上の安定感を見せる山川。ゴール前の守備だけでなく、未然に相手のチャンスの芽を摘み、ゴール前まで運ばせない守備も素晴らしかった。マテウス・トゥーレルとのコンビも円熟感を増し、鉄壁の守備を披露した。

 対人の強さ、フィード能力、そして攻守両面でのセットプレーの強さを常に出し続ける植田。高い水準でのプレーが当たり前になり過ぎて目立たないほどになっているが、これほどセンターバックらしいプレーヤーは多くない。今シーズンも安定のパフォーマンスだった。

 ボランチの一人目は神戸の扇原貴宏。左足のキックの精度は抜群で、ボールの軌道、キックのフォームが美しい。ただ、それだけではない。危険なスペースを察知し守備対応。中央だけでなく、サイドのスペースも埋めて神戸の守備の強度を高めた。優勝した神戸のなかでも不可欠な選手の一人だった。

 ボランチの二人目は東京Vの森田晃樹。ボール扱いが巧みで、見せつけるテクニックというより、自身の技術をチームが進むべき方向に行くために効果的に使うことができる、まさにフットボーラー。齋藤功佑と二度三度とパス交換するだけでチームが落ち着いた。

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