代表帰りの“洗礼”にも「面白い」。小林祐希の進化はどこまで続く!?

2016年06月12日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「警戒されているなかで、さらにその上を行かないといけない」

FC東京の高橋(4番)から受けたマンマークは、日本代表戦士となった“勲章”とも言える。どうやって相手の対策の上を行くか、ここからが見せ場だ。 (C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1・1stステージ15節]磐田0-0FC東京 6月11日/エコパ

 0-0のスコアレスドローに終わったJ1・15節のFC東京戦、トップ下に入った小林祐希にはFC東京のアンカー、高橋秀人がマンマークでついていた。意図的にサイドに流れて釣り出そうとするものの、思うようにボールを引き出せず、引いてパスを受けても簡単に前を向かせてもらえない。小林にとっては我慢の時間が続いた。
 
「俺に入る前にパスミスやボールロストが多かったし、(全体的に)流動性も少なかった。一回入れてもらって、落として前を向くイメージは持っていたけど、ミヤくん(宮崎智彦)も(山本)康裕くんも守備に重きを置いていたから、後ろに重かったかなと。もっとペナルティエリア付近でボールを受けたかったというのが正直なところです」
 
 磐田は攻撃のキーマンが抑えられた影響もあって、決定機をひとつも作ることができなかった。ただ、厳しいマークも「要注意人物」と警戒されているからこそ。いわば、日本代表戦士となった"勲章"とも言える。それは小林自身も感じているようで、「フィニッシュに絡めなかったのは悔しい」と振り返りつつ、相手の包囲網を歓迎するとばかりに力強い言葉を続ける。
 
「高橋選手はずっと俺について来ていた。堅い試合になるとは思っていたけど、前を向いてボールを受ける回数が少なかったなら、そういうシーンを自分で作り出して行かないと。警戒されているなかで、さらにその上を行かないといけない。今日は『面白くなってきた』と感じました」
 
 では、どうやって相手の上を行こうと考えているか、と尋ねられると小林の口調は一気に熱を帯びていく。
 
「臨機応変に、サイドに張るだけじゃなく中で受けるとか、個で剥がす、ワンツーで剥がす、フリック……、なんでもある。それをどこでどう出すか。ただ、一人じゃできないので、味方との距離感やイメージのすり合わせを練習から突き詰めないといけない。毎日チームメイトと話しながら、楽しく、真摯にサッカーに取り組んでいけば、必ず良い方向に行くと思います」

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