【EURO2016】開催国フランス、苦しみながらもパイエの大活躍で白星発進!――フランス 2-1 ルーマニア

2016年06月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

幅広く動いてフリーでボールを得てチャンスを量産したパイエ。

今ひとつ機能しないチームのなかでチャンスを量産し、決勝点まで挙げたパイエ。初のビッグイベントでいきなりヒーローとなった。 写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 6月10日(現地時間)、フランス・サンドニのスタッド・ド・フランスでEURO2016の開幕戦が行なわれ、開催国フランスは2-1でルーマニアを下した。
 
 開幕戦独特の盛り上がりと緊張感のなかで始まった試合は、開始32秒でフランスのマテュイディがファーストシュートを放ったが、最初の決定機はルーマニアにもたらされる。4分、CKから逆サイドに流れたボールをフリーのスタンクが詰めるが、GKロリスがこれをブロックした。
 
 対するフランスは、14分にポグバのスルーパスで右サイドを抜け出したサーニャのクロスに、グリエーズマンは合わせ損なうも、DFに当たって跳ね返ったボールをヘッド。しかし、ボールはポストを叩いた。
 
 36分には、スローインから右サイドでフリーになったパイエが中央のグリエーズマンに合わせたが、シュートはわずかに枠を外した。
 
 他にも、ジルーの惜しいヘディングが2度あったフランスだが、攻撃は単発で厚みに欠ける。慎重になりすぎ、前線から厳しいプレッシャーをかけてくるルーマニアに対して、思い切った仕掛けはほとんどなかった。
 
 ほぼ互角の展開で、ともに効果的なプレーは少なく、膠着した時間が長かった前半。しかし、後半は大きく様相が変わる。
 
 最初にチャンスを得たのはルーマニアだが、スタンクの胸トラップからのシュートはわずかに枠を外した。
 
 対するフランスは、ここからルーマニアを押し込み始める。その原動力となったのがパイエで、縦横に幅広く動いてフリーでボールを受け、巧みなボールキープと絶妙なパスでチャンスを創出。56分には彼のクロスからポグバが強烈なボレーを放ち、CKを得る。
 
 このCKから、右サイドでボールを得たパイエがクロスを上げると、飛んだジルーの頭にボールはぴったり合い、57分、ついにフランスが先制を果たした。
 
 これでスタジアムは沸き立ち、フランスも勢い付いたが、ルーマニアはその隙を突くように、65分、ペナルティエリア内でスタンチュが突破を試み、エブラに倒されてPKをゲット。スタンクがGKロリスの逆を突いて同点に追い付いた。
 
 その後、ボールポゼッションでは上回るも、堅守のルーマニアの前に攻め切ることができないフランス。コマン、マルシアルといった攻撃の駒を投入してゴールをこじ開けようとするも、跳ね返され続ける。
 
 しかし89分、右サイドでボールを繋いだフランスは、パイエが中央に切れ込んで鮮やかな左足でのミドルをゴール左隅に突き刺し、ついに勝ち越しに成功した。
 
 今度はリードを守り切ったフランスは、苦しみながらも初戦を白星で飾り、1984年(EURO)、98年(ワールドカップ)に続く、メジャーイベント3度目の自国優勝に向けて、一歩前進を遂げた。
 
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