【総体出場校】富山・高岡一|ハーフウェー付近は射程圏内! エースFWの武器は通算4発の超ロング弾

2016年06月10日 安藤隆人

中3の時に放った衝撃のゴールの感触が残っていた。

決勝では超ロング弾を含む2得点を挙げたゴールゲッターの佐賀野(11番)。全国でもその驚異のシュートが見られるか。写真:安藤隆人

 一昨年のインターハイで富山一と水橋の『2強時代』に風穴を開けた高岡一が、1年の時を経て、再び富山の頂点に立った。
 
 2年ぶり3回目のインターハイ出場を狙う高岡一は、決勝で2年連続のインターハイ出場を狙う水橋と対戦。3-3の同点で突入したPK戦を4-3で制し、優勝を手にした。
 
 この試合で2ゴールを挙げ、PKもきっちり決めるなど、優勝に貢献したのが、高岡一のFW佐賀野修吾だ。圧巻は1-1で迎えた56分の勝ち越しゴールだ。ハーフウェーラインの右タッチライン付近でボールを受けると、「試合前から、遠くからでも積極的にゴールを狙おうと思っていた。最終ラインからのボールを前向きに良いトラップができたので、ルックアップをしたらGKが前に出ているのが見えた。迷わずシュートを選択した」と、右足を一閃。ボールは強烈なライナーでGKの頭上を破り、ゴールに突き刺さった。
 
 やみくもではない、判断が伴ったロングシュート。実はこれは佐賀野にとって『必殺の武器』でもあった。彼は過去3回も同じようなシュートを決めているというのだ。自分の強烈な武器に気がついたのは、中学3年の時だった。
 
 所属する富山北FCで北信越リーグでの試合を戦っていた時だ。
「0-5で負けていて、なんとか1点は返したいと思っていたんです。ハーフウェーライン付近でボールを受けたら、いい感じで前を向けて、GKが前に出ているのが見えたので、『打っちゃえ』と思って蹴ったら、GKの頭上を破ってゴールに入った。自分でも驚きました」
 
 圧巻のロングシュートの感触がずっと残っていた。高岡一に入ってからも、その感覚を磨くため、ロングシュートは練習でも意識的に打つようになった。
 
 すると、去年の県1部リーグのカターレ富山U-18戦で、ゴールキックからハーフウェーライン付近のヘッドの競り合いのこぼれ球に反応。DFふたりに囲まれながらも、鋭いターンで一瞬にして置き去りにして、前方をルックアップ。「GKが前に出ていて、『ここだ!』と思った」と迷わず左足を振り抜いた。
 
 利き足は右だが、普段から左のキックを意識的に取り組んでおり、イメージと左足のキックが瞬間的にリンクした。ボールはGKの頭上を破って、ゴールに突き刺さった。そして、今年4月のプリンスリーグ北信越の北越戦。ハーフウェーライン付近でディフェンスラインからのパスを受けて前を向くと、ロングシュートのコースがはっきりと見えた。右足で捉えたボールは、これまでの2本と同じようにバウンドせずダイレクトにゴールネットを揺らした。
 

次ページ5本目の超ロング弾を全国の舞台で披露する!

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