【総体出場校】福島・尚志|期待のエースはマルチロール! 全国制覇へ「複数ポジション」にこだわり

2016年06月09日 小林健志

県予選決勝でも様々なトライを見せて余裕の7連覇。

決勝でも2ゴールを挙げたエースの高橋は、DFからFWまでをこなすマルチロールプレーヤーとして注目される。写真:小林健志

 決勝のスコアは2-0。大勝ではない。しかし7年連続9回目のインターハイ出場を決めた尚志からは、スコアに現われる以上の強さ、凄みが感じられる。

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 インターハイ予選福島決勝は大会7連覇を目指す尚志と、水戸FWの萬代宏樹などを輩出した福島東の対戦となった。福島東がどれだけ尚志の攻撃を抑え込めるかが焦点だったが、試合の流れを前半でほぼ決定づけたのは、尚志・仲村浩二監督が「うちのエース。相手が変わっても同じプレーが出せる」と太鼓判を押すMF高橋大河だった。
 
 試合開始早々の2分、DF進藤雅也からのロングフィードをFW渡部公平が前線で受けてタメを作る。左サイドからペナルティエリア内に進入した高橋は渡部からのパスを受けると、角度の無いところからシュートを叩き込んだ。あっけにとられる福島東の出鼻をくじくには十分な得点だった。
 
 その後はほぼ福島東陣内で試合が展開され、何度も決定機を迎え、福島東がそれをはね返す展開。福島東がよく持ち堪えていたが、前半終了間際の35分、MF加野赳瑠がドリブルで中へ切れ込み、またも左サイドからペナルティエリアに進入した高橋へパスがつながり、難なくゴール。前半で2点のリードを奪った。
 
 後半の尚志は様々な選手を投入し、選手のポジションを入れ替えた。2得点を挙げた高橋も後半途中からは本職である左サイドハーフから右サイドハーフに移ってプレーした。「2点上手く取れたので、申し訳ないですが、誰かが怪我をしたらどうなるかを試そうと思いました。バランスをわざと崩したなかでやったので、後半の立ち上がりは悪かったですね」と仲村監督が認めたとおり、何度か福島東のカウンター攻撃を許したが、それも織り込み済みだった。
 
 結局、後半は追加点を取れなかったが、県予選決勝の場で様々なトライを見せるという余裕を見せての7連覇となった。
 

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