清武が2度目の五輪か。本人は前向きだが、最後に落とし穴がある?

2016年06月09日 サッカーダイジェスト編集部

もし移籍が決まれば、五輪期間の8月は新天地に馴染むための重要な時間になる。

ロンドン五輪でベスト4進出に貢献した清武。リオ五輪にオーバーエイジとして参加すれば、日本代表の大きな力になるのは間違いない。(C)Getty Images

 8月のリオ五輪開幕まで2か月を切ったこのタイミングで、大きな関心事のひとつがオーバーエイジの人選だろう。その有力候補のひとりとして、先日のキリンカップで輝きを放った清武弘嗣が注目を集めている。

 かねてからリオ五輪代表の手倉森監督は、「オーバーエイジ枠の選手は、将来のA代表の軸になるプレーヤーがいい」と語っており、中盤2列目では、清武をリストの最上位に入れ、アプローチしてきた。一説によれば、自ら連絡を取って、想いの丈を伝えたと言われている。
 
 清武は2012年のロンドン五輪で、ベスト4入りの原動力となった。2大会連続の出場となれば、その経験値はチームの大きな助けとなるはずだ。

 また、左の山中(現在は負傷中)に対し、絶対的な存在がいない右のプレースキッカーとしても期待が持てる。チームには植田、遠藤ら空中戦に強い選手が多いだけに、その正確なキックは貴重な武器となるだろう。
 
 障壁があるとすれば、新天地の"現場"の考え方か。所属先のハノーファーのブンデスリーガ2部降格により、清武はヨーロッパ内で移籍先を探している。

 有力候補として、ヨーロッパリーグを制したセビージャが挙がっている。どうやら清武サイドは、「五輪出場を認める」という条件を盛り込み、契約交渉をしているようだ。セビージャ側も、基本的には、その意思を尊重する構えと見られる。

 しかし新天地が決まれば、8月の五輪期間は新たな所属先に馴染むための重要な時間となる。本人は五輪出場に前向きだとされるが、移籍が実現すれば、状況は微妙に変わってくるもの。今度はフロントではなく、監督など現場がどのような意向を示すかもポイントになってくる。
 
 日本サッカー協会としては、新たな所属先に招集の許可を打診しなくてはならないため、手続きにも時間がかかる可能性もある。土壇場で想定外の"なにか"が起きるのが、オーバーエイジのドラマによくあること。

 そのリスクを避けるため、他の選手に早い段階で切り替えることもあり得るか……。清武招集へ、「障壁」のみならず、「落とし穴」も見極めて回避しなければならない。
 
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