イグアインの「値引き」は不可能。莫大な違約金をパリSGやマンUは払うのか?

2016年06月08日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ナポリは契約延長を望むが、本人にその気はない。

欧州中のメガクラブが引き抜きを狙うイグアイン。今夏の移籍はあるのか?(C)Getty Images

 ゴンサロ・イグアインが欲しい? 簡単だ。ナポリに違約金を支払うだけでいい。金額は9400万ユーロ(約117億円)。契約書にそう記載されている。
 
 値引き交渉は時間の無駄だ。ナポリには初手から応じるつもりがないのだから。それどころか、できることなら現行では2018年6月までの契約を2020年6月まで延長し、1億ユーロ(約125億円)を上回る違約金を設定したいとすら思っている。
 
 メジャータイトルが狙えるクラブでの新たなチャレンジを希望しているイグアインの方が、それに応じないだろうが……。
 
 実際のところ、15-16シーズンにセリエA年間得点記録を更新したこのスコアラーには、パリ・サンジェルマン、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、バイエルンなど、ヨーロッパ中のメガクラブが秋波を送っている。
 
 とりわけ熱心なのが、チャンピオンズ・リーグ(CL)のタイトルが喉から手が出るほどほしいパリSG、そして名門復活を目指すユナイテッドだ。
 
 パリSGは今夏の退団が決定済みのズラタン・イブラヒモビッチよりも、さらに多くのゴールを保証してくれるストライカーを必要としている。ようやくジョゼ・モウリーニョの新監督就任を発表したユナイテッドにも、CLの主役という本来の場所に戻るため、偉大なカンピオーネ(名手)が絶対不可欠だ。
 
 しかし、そのためにはまず、ナポリを説得しなければならない。必要なのは9400万ユーロ。この莫大な金額を払うか、払わないか。これが全ての焦点だ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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