【岩本輝雄】本気を出したらもっと凄そう。“6割”鎌田の余裕のプレーに魅せられた。今の森保ジャパンは昔のバルサっぽいね

2024年11月16日 岩本輝雄

派手さはないかもしれないけど、サッカーセンスは抜群

中盤で絶大な存在感。鎌田は本当にサッカーが上手いと思う。(C)SOCCER DIGEST

[北中米W杯アジア最終予選]日本 4-0 インドネシア/11月15日/ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム

 敵地でインドネシアと対戦した森保ジャパン。試合の入りは、ちょっと危なかったね。3バックの両脇をやられて、いくつかのピンチがあった。でも、彩艶のビッグセーブも含めて失点はしなかった。

 まあ、先に点を取られても負けはしなかったと思うよ。それだけ力の差はあるから。谷口がいない3バックの人選や配置とか、少なからず課題も見えただろうから、その点は良かったんじゃないかな。

 目立っていたのは、中盤のトライアングル。ボランチの遠藤と守田、シャドーの鎌田の3人は、距離感が良くて、つなぎも安定している。鎌田が下りれば、守田がすっと前に出るとか流動的な出入りもスムーズだった。

 特に鎌田が良いよね。そこまで派手さはないかもしれないけど、サッカーセンスは抜群。360度、周りが見えていて、シンプルにさばく、運ぶところは運ぶ、相手を食いつかせるようなプレーもできる。その状況判断が見事だった。

 立ち位置も、相手が出てこれないような絶妙な場所にいる。そこでボールを引き出して、テンポ良くさばいてリズムを生み出す。まさにチームの"心臓"だと思った。
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 一つひとつのプレーに余裕があるしね。余計な力が入っていないというか、インドネシア戦では6割ぐらいでやっているような気がした。もちろん良い意味で、あれ本気でやってないでしょ(笑)。だからこそ余裕があるんだろうし、でもそれって技術がなければできないから、相当にサッカーが上手いんだと思う。本気を出したもっと凄そうだよ。

 鎌田のいる中盤を見ていると、昔のバルサを思い出すよね。シャビ、イニエスタ、ブスケッツらがいた時代のバルサ。難しいことはしないけど、確かなテクニックでパスをつないでゲームを支配する。止めて・蹴るとか、スペースを作ってそこに入っていくとか、サッカーって簡単なんだなって改めて思わせてくれる。

 今の森保ジャパンはそれに通じるものがあるから、絶対に見たほうがいい。そのなかで、やっぱり鎌田。サッカーを難しくしない。簡単にプレーして、最も効果的なことをやる。彼を見ているだけでも楽しいはずだし、気づかされることは多いと思うよ。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、52歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた"40メートルFK弾"は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。

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