香川の目にボスニア戦の日本代表はどう映ったか。背番号10が危惧したのはやはり…

2016年06月08日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「いつもの課題というか、停滞したなかでリズムを変えられずに…」

ブルガリア戦で負傷した香川は、ベンチスタート。ボスニア戦後には敗れた代表チームに苦言を呈していた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンカップ]日本代表 1-2 ボスニア・ヘルツェゴビナ代表
6月7日/吹田スタジアム
 
 ボスニア・ヘルツェゴビナ戦を本田とともに欠場した香川は、比較的厳しい表情でミックスゾーンに姿を現わした。ホームで、しかもベストメンバーではない相手──EUROの本大会にさえ出られないボスニア・ヘルツェゴビナに逆転負けを喫したのだから心中は穏やかではないだろう。実際、言葉の端々にはショックとも取れるようなニュアンスが感じ取れた。
 
「これが結果なので、受け入れるしかない。ホームで勝たないといけない試合で負けたという現実があるので、そこにみんながまた向き合ってやらないといけない」
 
 香川がダメ出しをしたのは、ふたつの失点だ。背番号10の見解では、「時間帯も取られ方も明らかに悪かった」。
 
「前半はね、速いテンポで良い流れだった。特に左サイドから(宇佐美)貴史とかがボールを持った時に起点が作れていましたからね。
 
 一方で、失点はふたつとも時間帯と取られ方が明らかに悪かった。ああいう失点をしてたら勝てないと思う。球際や1対1も含めて、こういう相手に上手く戦えていなかった。一瞬のスキを突かれた。その意味では集中力とリスクマネジメントが足りていなかった」
 
 香川は、「いつもの課題」が出たところを危惧している。
 
「ボスニアが後半に修正してきたなかで、なかなかチャンスを作れなかった。そうした停滞した時間帯に2点目を取りに行くのか、自分たちでやって行くという工夫が足りなかった。そこでどう攻めてどう勝ち越すのか。いつもの課題というか、停滞したなかでリズムを変えられずにカウンターから失点してしまう流れが代表戦では多い」
 
 勝ち越された後の試合の作り方に少なからず物足りなさを感じていた香川。ボスニア戦に負傷で出られなかった悔しさ、ベンチから眺めていて募った苛立ちを、9月からスタートするワールドカップ・アジア予選にすべてぶつけてもらいたい。
 

 
 
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