元祖・本田が〝二世″小林祐希について言及。「まだそんな議論をしているのか」

2016年06月08日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「祐希が爪痕を残そうとしたのは、気持ちとして伝わってきた」

キリンカップは2試合とも欠場。本田はボスニア・ヘルツェゴビナ戦で途中出場した小林をどう評したか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンカップ]日本代表 1-2 ボスニア・ヘルツェゴビナ代表
6月7日/吹田スタジアム
 
 左足の負傷でキリンカップの2試合を欠場した本田は、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦の後にミックスゾーンで「いつも以上に広い視野で試合を見ることができた」とコメントした。続けて、「若い選手を何人か試せたのもひとつ大きな収穫だったと思う」とも話した。
 
 では、その若手のなかで〝本田二世″とも評される小林祐希を元祖・本田はどう評価したのか。
 
「祐希みたいな選手が何十人も出てくるような日本サッカー界にならないと、本当の意味で世界のスタンダードにはなりえないと思っているので。
 
僕が出てきた頃もそんな議論がありましたが、まだそんな議論をしているのかというのが正直なところです。日本の教育、サッカー指導ではなく、もっと大きな範囲で物事を考えて、人間育成をするプログラムを作っていかないと。全部変えろとは言わないので、全スポーツ界をそうしていかないと(祐希みたいな選手は)生まれてこないでしょう。
 
毎回毎回、ひとりが生まれてきたタイミングでこういう議論が出てしまう。もうブラジルとかアフリカとかイタリアとか、フランスとかそんな選手いっぱい出てきますからね。大袈裟です。それでも、祐希は面白い存在。もっとガツガツしていい」
 
 この日の小林祐希は74分から途中出場。フリーになれば、「ボールをよこせ」と言わんばかりのジェスチャーでパスを要求した。そういう姿を見て、「気持ちは伝わりましたよね」と本田は感じたそうだ。
 
「気持ちが伝わる選手は最近少ないからね。そういう意味で、祐希は今日試合出て爪痕を残そうとしたのは、気持ちとして伝わってきた」
 
 「日本人に生まれて、日本で育って。どうしても、協調よりになるでしょ。だから、祐希みたいなのがこういう感じで言われる。結局、結果なんでサッカー界は。いろんな個性が出て来ないと」
 
 自分がそうやって日本サッカーを盛り上げてきたように、祐希にも頑張ってもらいたい――。そんな期待が、本田の言葉からは伝わってきた。
 
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