今季16ゴール目の川崎FW山田新が京都戦後に受けた愛あるアドバイス。家長昭博から伝えられた言葉とは

2024年11月09日 本田健介(サッカーダイジェスト)

見事なトラップと抜け出しからネットを揺らす

大卒2年目で16ゴールを数えている山田。ただ京都戦は勝利に導けなかった。(C)SOCCER DIGEST

[J1第36節]京都 1-1 川崎/11月9日/サンガスタジアム by KYOCERA

 川崎が敵地で京都と引き分けた一戦、今季16ゴール目となる先制点を挙げたのが川崎のFW山田新だ。

 0-0で迎えた後半頭から大島僚太、家長昭博とともにピッチに送り出された山田は、59分に大島からのロングフィードを走りながら絶妙なトラップで収めて相手の前に入り込み、左足で冷静に流し込んだ。

 川崎のアカデミー育ちで桐蔭横浜大を経て、昨季、川崎に加入した山田は、プロ1年目ではリーグ27試合で4得点をマーク。そして2年目の今季はこれで得点ランキング4位となる通算16ゴール目(35試合出場)と力強い進化を果たしている。

 フィジカルとスピードに長けたストライカーは、その持ち味を十分に示していると言えるだろう。
【動画】京都戦の川崎のゴール
 もっとも京都戦は終盤にPKで追いつかれドロー。PKにつながったCKは山田と大島がボールを見合ってしまった場面から生まれたもので、山田も「追加点もそうですし、点を取ったあとの試合運びに課題が残りました。自分がもう1点取れば良かった」と悔しそうな表情を浮かべた。

 そして試合後には、先輩の家長から身振り手振りをまじえて、何やら熱くアドバイスを送られているシーンがあった。どんなことを伝えられていたのか。

「ボールを受ける時の身体の使い方ですね。使い方というかボールに対してそのまま流れて受けるのではなく、早めにポイントに入って止まっていれば、相手にぶつかられても堪えられる。そこの受け方の話でした。

 斜めに入ってくるところなどはアキさん(家長)からこれまでも言ってもらっていて、サイドで受ける時ですね。よくアキさんがやっているような受け方を伝えてもらったりしていますが、アキさんはボールを失わない選手なので参考になります。ただ、同じようにできるかというと、やっぱり難しいですね」

 また試合直後には先輩FWの小林悠とも言葉をかわす場面があった。

「悠さんとは僕が縦に仕掛けてキーパーに触られたところの話。悠さんは『中の俺が見えていたか?』という確認で、実際に悠さんのことは見えていて、悠さんを狙ったんですが、上手くいかなかった。そこを話していました」

 16ゴールでチームを引っ張る山田は新エースとしての期待を背負うだけに、先輩たちからの注文も高くなっているのだろう。そこで多くを学び、さらにゴール数を伸ばせるか。

 川崎が残すリーグ戦は3試合。得点ランクトップのレオ・セアラ(C大阪)とは5点差だが、少しでも距離を縮めたいところである。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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