新生なでしこ、王者・アメリカ相手に大健闘のドロー。横山が起死回生の同点弾でチームを救う

2016年06月03日 サッカーダイジェスト編集部

大儀見の退場で苦境に追い込まれるも……。

横山が後半アディショナルタイムに起死回生の同点弾を叩き込む。日本はひとり少ない人数で2点を奪われ、逆転を許したが、土壇場で追いついた。(C) Getty Images

 高倉麻子新監督を迎え、新たな船出を切ったなでしこジャパンは、6月3日に初陣としてアメリカと対戦した。
 
 高倉監督は先発メンバーに初招集の佐々木繭、千葉園子を起用。GKには若い山下杏也加、最終ラインは右から有吉佐織、村松智子、熊谷紗希、佐々木、ボランチには10番を背負った阪口夢穂、宇津木瑠美、中盤2列目には右から中島依美、千葉、大儀見(永里)優季、1トップに岩渕真奈が入った。キャプテンマークは大儀見が巻いた。
 
 昨年のカナダ・ワールドカップの決勝では2-5で敗れたアメリカとの通算成績は1勝6分24敗。FIFAランキング1位の相手(日本は同7位)に日本は序盤、押し込まれる。
 
 しかし14分、新エースに名乗りを上げる岩渕がワンチャンスを決める。阪口からの縦パスをペナルティエリアのやや外で受けて、素早くターンすると左足を一閃。見事なミドルでアメリカの守護神ホープ・ソロの牙城を破った。
 
 続く22分には中島の右からのクロスに大儀見が上手く右足で合わせて追加点。2点のリードを得た。
 
 だが、27分には左サイドを突破されると、アメリカのエース、アレックス・モーガンに決められ、1点を返される。
 
 41分には大儀見の落としを受けた中島がバー直撃のシュートを放ったが、前半はこのまま2-1のまま折り返した。
 
 後半は宇津木に代え、ボランチに川村優理を投入。前半の終盤は押され気味だった流れを変えようと高倉監督が動いた。
 
 さらに55分には岩渕に代わり、現在なでしこリーグで12ゴールを挙げ、得点ランキングトップを走る横山久美がピッチに入った。
 
 しかし直後にアクシデントが。ルーズボールを追っていた大儀見が相手DFに後ろからチャレンジし、2枚目のイエローカードを受けて退場。10人での戦いを余儀なくされた。
 
 すると64分にゴール前でFKを奪われると、再びモーガンに決められて同点に追い付かれる。
 
 その後も日本はなかなか前線にボールを入れられず、苦しい時間を過ごす。交代で入った横山も前線で孤立し、チャンスを作れなかった。
 
 80分には佐々木に代わって中里優が代表デビューを果たすも、流れを変えるには至らず。
 
 そして89分には右からアーリークロスを入れられると、熊谷、川村、GKの山下が競りに行くが、ホランに上手く合わされ逆転ゴールを奪われる。
 
 それでも終了間際に横山が貴重な仕事をこなす。阪口のスルーパスを受けると冷静にゴール左へ決めた。試合はこのまま3-3で終了。新生なでしこジャパンの初陣はドロー決着となった。
 
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