岡崎の“エゴイスティックな姿”にゴールの予感。「自分の世界に入ったもん勝ち」

2016年06月03日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「自分が代表にいる時は、みんながボールを集めてくれる」。

節目の50得点まであとふたつ。ゴールへの強い欲を見せる岡崎は、今回のキリンカップ中に大台に乗せることができるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 代表通算100試合に出場している岡崎慎司の得点数は48。節目の50得点まであと2ゴールで、今回のキリンカップ中に到達する可能性は十分にある。
 
 岡崎自身、以前はあまり記録にはこだわっていなかったという。しかし、どうやら心境の変化があったようだ。
 
「アジアの相手ではなく、ヨーロッパの相手からもまだまだ点を取りたい。多くのゴールを決めて、自分がこの日本代表にいたという記録を残したいんです。そういう姿を、若い選手たちにも見せたいと思う」
 
 ひとつでも多く点を取ることにこだわる。では、そのためにはなにが重要なってくるのか。24ゴールを決め、レスターのプレミア初優勝に貢献したチームメイトのジェイミー・ヴァーディを間近で見ていて、岡崎も感じるものがあったようだ。
 
「自分の世界に入ったもん勝ち」
 
 そもそもヴァーディはシュートが上手い選手だが、ただその高い技術を試合でも発揮できるのは、「自分の世界に入っているから」と岡崎は分析する。
 
「大事な場面でも自分の世界に入っているから、"これを外したらヤバい"とか、そういうのは多分、頭をよぎらないというか。それぐらい自分の仕事に集中しなければならないし、ということは、いわゆるエゴイストと言われても、しょうがないポジションだと思う」
 
 レスターでの岡崎は、もちろんゴールへの強い意識を見せていたが、前線からの献身的な守備も評価されて、レギュラーの座を掴んでいた。しかし、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「日本代表ではまったく別の役割があります」と語る。その役割とは、レスターでのヴァーディのようにゴールを奪いまくることだ。
 
「少なからず、自分が代表にいる時は、みんながボールを集めてくれる。その立場になった時に、決めなければいけないという責任が出てくる。そこで点を取れずに、悔しい想いを何度もしてきた。いつでも試合に出たら点を取る準備をしたいし、次の試合ももちろん、ゴールを目指したい」
 
 CFのライバルには、金崎夢生や浅野拓磨がいる。たったひとつのポジションを巡り、熾烈なポジション争いを覚悟しつつ、「自分も譲るつもりはない」とプライドをのぞかせた。
 

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