D・アウベスのユベントス移籍が成立間近! バルサが後悔する契約条項とは?

2016年06月01日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ユベントスは移籍金ゼロで再び熟練サイドバックを手に入れる。

すでに33歳だが大きな衰えは見られないD・アウベス。ユーベはその実力を評価して獲得に向けて素早く動いた。(C)Getty Images

 イタリアには、「老いた雌鳥からはいいスープが取れる」という格言がある。「最高のワインは年を重ねるほどに味わいが深くなる」とも言われる。すべては、"熟成"という言葉に集約される。
 
 ダニエウ・アウベスは、それを言葉ではなくピッチ上のパフォーマンスで証明してきた。すでに33歳を迎えたが、引き締まった肉体と短距離走者並みのスプリントに衰えは見られない。クロスの精度の高さも相変わらずだ。
 
 それを認識するユベントスは、獲物を狙う鷹のように鋭いアプローチを見せた。3年契約をオファーして、移籍金ゼロで獲得しようというのだ。移籍金ゼロ? D・アウベスはわずか1年前、長く難しい交渉の末にバルセロナと2017年まで契約更新したのではなかったか? しかし、その契約にはひとつの条項が含まれていた。
 
「2016年6月5日よりも前ならば、選手サイドの一方的な決断によって移籍金ゼロでクラブを去ることができる」
 
 1年前のバルサは、彼と契約を延長するためにこの条項を呑まざるをえなかった。そして今、その代償を支払おうとしている。
 
 ユーベのジュゼッペ・マロッタGDが「可能なら、我々は彼との契約関係を築く概略を示していく。私は楽観しているよ」と語った通り、ユーベとの交渉はすでに詳細まで詰められており、移籍成立は時間の問題だ。
 
 2年前のパトリス・エブラに続いて、ユーベはまたも熟成の極みにある偉大なサイドバックを無料で手に入れることになる。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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