ハメスのマンU移籍交渉が具体化へ。マドリーではCL決勝でも出番なし…

2016年05月30日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

本人がプレータイムの少なさに不満を溜め込んでいるのは事実だ。

自身初のビッグイヤー獲得に笑顔を見せるハメス。しかし、出場機会の少なさに不満を溜め込んでいる。(C)Getty Images

 マドリードの邸宅の賃貸契約を解約した、レアル・マドリー退団を本気で考えている――。いずれも、噂でしかない。
 
 しかし、ハメス・ロドリゲスの顔を見れば、それが単なる噂で終わりそうにないことはすぐに分かる。プレータイムの少なさに、明らかに耐えられなくなっているのだ。
 
 マドリーでの出場機会は、昨夏にラファエル・ベニテスがやってきてから減り、年明けにジネディーヌ・ジダンが監督になってからますます少なくなった。5月28日のチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝でも、最後までベンチを温めた。
 
 そのCL決勝後には本人が「サッカーでは何が起こるか分からないけど、僕はここで続けていきたいと思っている。マドリーであと何年もプレーしたい」と語り、マドリードの生活に満足している夫人も最近「素晴らしい街。生活も食べ物もすごく気に入っているわ」とツイート。頑固でそう簡単に白旗を揚げない彼の性格を良く知る者は、「ハメスはマドリードに留まるだろう」と言う。
 
 しかし、言葉とは裏腹に本人がプレータイムの少なさに不満を溜め込んでいるのは事実であり、これだけのタレントがレギュラーの座を掴めないのはおかしいと考える代理人のジュルジュ・メンデスは、すでに他クラブへのプロモーションを始めている。
 
 とくに、マンチェスター・ユナイテッドは、クオリティーとスター性を兼ね備えたハメスが復権の切り札になると考えている。同じくメンデスの顧客であるジョゼ・モウリーニョが新監督に就任したのは明らかに追い風で、これから具体的な交渉が一気に進むに違いない。
 
 さらに、今夏の退団が決定済みのズラタン・イブラヒモビッチに代わる新たな"顔"を探すパリ・サンジェルマンも本気で獲得を考え始めているし、ジョゼップ・グアルディオラが新監督に就任するマンチェスター・シティという線も捨てがたい。
 
 間違いなくハメスは、今夏メルカートの主役の一人である。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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