「チェルシーの守備を嫌がっていた」三笘薫のプレーで英国人記者が指摘した点は?「1試合で2点を決められるようになれば…」【現地発】

2024年09月30日 スティーブ・マッケンジー

ブライトンは2-4で敗戦

三笘は開始早々に得意のドリブルでギュストを抜き去る場面もあった。(C)TOSHI TAKEYA(SOCCER DIGEST)

 9月28日、私はロンドンのスタンフォード・ブリッジでプレミアリーグ第6節のチェルシー対ブライトンを取材した。

 この2チームには、ちょっとしたライバル関係がある。数シーズン前、チェルシーはブライトンからグレアム・ポッター監督や、モイセス・カイセド、マルク・ククレジャらを連れてきた。ブライトンファンはこの"強奪"にあまり良い印象を持っていないので、チェルシーと対戦する時は余計なスパイスが入るようだ。

 そしてブライトンのゲームを取材する際に、最も注目するのは三笘薫だ。今シーズン、三笘は開幕節のエバートン戦(3-0)でゴールを決め、続くマンチェスター・ユナイテッド戦(2-1)でアシストを記録しているが、プレミアリーグの主役になるにはあと一歩足りないように感じる。

 すでに6試合で10得点を奪っているマンチェスター・シティのアーリング・ハーランドを除けば、今季のMVPをほぼ確実にしているような活躍を見せている選手はいないと思うが、この日本人アタッカーがコンスタントに1試合で2ゴールを決められるようになれば、プレミアリーグのトッププレーヤーの仲間入りを果たすだろう。
【動画】三笘の仕掛けからブライトンが先制点を奪取!
 チェルシー戦に左サイドハーフで先発した三笘は、開始2分にいきなりキレのあるプレーを見せた。マッチアップしたマロ・ギュストを軽々と抜き去り、クロスを上げてチャンスを作った。

 しかしギュストは非常に優れたサイドバックであり好調だ。以降は三笘は封じ込まれて、ほとんど影響を与えられなかった。

 三笘のプレーを見ていて気になったのは、チェルシーの守備を嫌がるような場面が多かった点だ。相手に対してドリブルを仕掛ける回数は限られ、パスを選択する場面が目立った。

 試合は前半だけで両チーム合わせて6点が生まれるエンターテインメントに溢れた展開となったが、後半はスコアが動かず、4-2でチェルシーが勝利した。圧倒的なパフォーマンスを披露して4ゴールを決めたコール・パーマーは、今やプレミアリーグのスターだ。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

【画像】2024年夏に海外で新天地を求めたサムライたち
 

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