「風というよりは戦略」敵地で横浜を下した京都指揮官が前半に風下を選んだ理由とは

2024年09月14日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

ゴールキックが押し戻されるほどの強い風

チームを勝利に導いた曺監督。(C)SOCCER DIGEST

[J1第30節]横浜 1-2 京都/9月13日/ニッパツ三ツ沢球技場

 京都サンガF.C.は9月13日、J1第30節で横浜F・マリノスと敵地で対戦し、2-1で勝利した。

 9分に横浜が退場者を出して数的有利に立った京都は、23分にラファエル・エリアスのゴールで先制する。右サイドで攻撃を組み立てたなか、宮本優太から敵陣ボックス手前でパスを受けた川﨑颯太が、反転してスルーパスを供給。それに反応したマルコ・トゥーリオが折り返し、逆サイドでフリーになっていたR・エリアスが押し込んだ。
 
 38分にオウンゴールで失点した京都だったが、1-1で迎えた53分に原大智の得点で再びリードする。佐藤響のスルーパスに抜け出した原がゴール前まで持ち込み、鋭い切り返しで相手DFを剥がして右足を振り抜く。GKの逆を突くシュートだった。

 その後も京都はボールを支配。横浜にチャンスらしいチャンスを与えないまま、タイムアップの笛を聞いた。
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 試合後、京都の曺貴裁監督は次のように振り返った。

「2年前、ここ(三ツ沢)でマリノスさんと試合をした時は大人と子どもの試合だったので、その思い出がスタジアムに入った時に脳裏をよぎりました。でも今日は立ち上がりから成長した姿を見せられました。

 相手がひとり少なくなったことは幸運でしたが、その分、難しくなった印象もあるなかで、守備陣がよく粘って1点に抑えてくれました。3点目、4点目を取れていればもう少し楽な展開になったと思いますが、そんな甘い試合ではないと教えられた気もします。

 今日のソリッドな戦い方は、ここ3年になかった落ち着きが見られましたし、選手の成長を感じる場面も増えました。僕自身が監督としてもっと成長していかないと、彼らを引き上げられないという気分です。選手はよくやってくれた」

 強風でゴールキックが押し戻される状況だったが、試合前のコイントスで京都の主将・川﨑はコートチェンジを選択。前半に風下を選んだ狙いについて指揮官はこう説明した。

「マリノスさんはたくさんのサポーターを背にして、ひとつのチャンスをサポーターの声援で得点にしていく力があると思っていたので、そういう勢いを止めて後半に入りたいなと。風に関してはそんなにプレーには影響しないだろうと思っていたので、風下を選んだというよりは、戦略としてそうした」

 中4日でジェフユナイテッド千葉との天皇杯準々決勝を控える京都。次はJ2のチームを相手に、指揮官はどんな手腕を見せるのか。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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