平畠啓史チョイス“至極の11人”|トルガイのプレーはスマートなテーブルマジックの趣。何度見てもタネが分からない【J1月間ベストイレブン8月】

2024年09月06日 平畠啓史

宮本はゲームを決められる選手へと進化

平畠氏が選出した8月のJ1月間ベストイレブン。(C)SOCCER DIGEST

 芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。8月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。

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 台風10号の影響で中止になった試合もあり、消化試合数にばらつきが出たが、サンフレッチェ広島が月間5連勝(トータル7連勝)を飾り首位に立った8月のJ1ベストイレブンとMVPを勝手にセレクト。

 GKは東京ヴェルディのマテウス。在籍5年目、J2時代からヴェルディを支える絶対的守護神。28節・鹿島アントラーズ戦の72分。濃野公人の至近距離でのヘディングシュートはマテウスの前でバウンドしたが見事にセーブし、直後のセカンドボールのシュートに対しては、セーブした体勢のまま足で反応し失点を防いだ。

 セービングも素晴らしいが、セーブ後のアクションの速さこそマテウスの真骨頂。J1の舞台でも真価を発揮している。
 
 DFは3バックで、右には通常ワイドでプレーする北海道コンサドーレ札幌の近藤友喜。28節・ジュビロ磐田戦での抜け出してからの右足アウトでのシュートも絶妙だったが、縦へのドリブルも魅力的。左足でボールを触り、相手との間合いをはかりながら巧みにボールを運ぶ。さらに中にえぐっていけるのが近藤のドリブル。札幌の右サイドで存在感を放っている。

 3バック中央には広島の中野就斗。3バックの右からの爆発的ロングスプリント攻撃参加は見るものを魅了。攻撃に参加するだけでなく、ゴール、アシストと結果に結びついている。広島のサッカーを体現する選手の一人だ。

 左には横浜F・マリノスのエドゥアルド。守備力の高さでだけでなく、攻撃の起点になるフィード力も抜群。守備者ながら攻守両面で欠かせない選手だ。

 ボランチはアルビレックス新潟の宮本英治と広島の松本泰志。8月無敗の新潟の中盤で欠かせない選手の一人が宮本。献身的な働きはもちろん、25節・磐田戦では圧巻の反転スーパーボレーを決めた。チームを支える選手からゲームを決められる選手へと進化は止まらない。

 プレーエリアが広く、多くのプレーに関わり、広島の中盤で欠かすことができない松本。あらゆる局面に顔を出し、状況を好転させていく働きは見事。高いレベルのパフォーマンスを続けている。

【動画】出場時間175分で5得点! トルガイのゴール集

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