【移籍専門記者】クルトワがチェルシー退団志願。バルセロナが獲得に向けて早くも動き出す

2016年05月23日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

話の結末はすでに見えているも同然だ。

GKコーチとの確執によってチェルシー退団を希望しているクルトワ。ワールドクラスのGKだけに市場人気は高い。(C)Getty Images

 ティボー・クルトワが、ここにきてチェルシーからの退団を志願している。チームの環境、とりわけシーズン中に何度か口論があったGKコーチのクリストフ・ロリションとの確執がその理由。アントニオ・コンテの新監督就任でGKコーチ交代も取沙汰されたが、その見込みはすでになくなった。
 
 本人が新天地を求めており、チェルシーにも補強予算捻出のためにクルトワを売却する用意がある――。話の結末はすでに見えているも同然だ。
 
 もちろん、24歳にして世界有数のGKという立場を確立しているクルトワだけに、値札は最低4000万ユーロ(約50億円)と安くはない。しかしそれでも、向こう10年を保証してくれるワールドクラスのGKを手に入れるチャンスとあれば、獲得に乗り出すクラブは少なくない。すでにバルセロナやレアル・マドリーが調査を開始した。
 
 早くも動き出しているのが、バルサだ。すでに代理人とチェルシーの双方にコンタクトを取った。正GKのクラウディオ・ブラーボは現時点ではアンタッチャブルだが、クルトワを獲れるならば、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンを売却するだろう。
 
 そのテア・シュテーゲンには、ジョゼップ・グアルディオラを新監督に迎えるマンチェスター・シティが興味を示しているし、チェルシーも相応の後釜を確保する必要が出てくる。クルトワをきっかけに、今夏に思わぬ「GKの玉突き移籍」が勃発する可能性も出てきた。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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