【移籍専門記者】セリエA年間得点記録更新のイグアインが退団希望。プレミアリーグに挑戦か!?

2016年05月15日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

3試合の出場停止を食らいながら35試合で36得点を挙げる。

5月14日の最終節フロジノーネ戦でハットトリックを記録し、セリエAの年間得点記録を更新したイグアイン。今夏はプレミアリーグに移籍か?(C)Getty Images

 リーベル、レアル・マドリー、アルゼンチン代表、そしてナポリ。ゴンサロ・イグアインはどのチームでもゴールを決め続けてきた。
 
 そして、今シーズンはセリエAで前人未到の大記録を達成する。序盤からハイペースでゴールを積み上げて、5月14日の最終節フロジノーネ戦ではトリプレッタ(ハットトリック)を達成して36ゴールに到達。1949-50シーズンにグンナー・ノルダール(当時ミラン/スウェーデン代表)が挙げた35ゴールというセリエAの年間最多得点記録を、66年ぶりに更新したのだ。
 
 3試合の出場停止を食らいながら35試合で36得点。守備重視のチームが多く、ロースコアの試合が多いセリエAでのレコードだけに、なおさら価値が高い。
 
 そのイグアインは今、新しいチャレンジの舞台を求めているようだ。セリエAとはリズムも違えば難易度も異なる新しい舞台、そう、プレミアリーグだ。リーガ・エスパニョーラ、セリエAに続く舞台としてこれ以上はないだろう。
 
 すでに争奪戦は始まっており、現在はとりわけチェルシーとマンチェスター・ユナイテッドが積極的。どちらのクラブもすでに代理人や家族などイグアインの周辺には接触済みだ。
 
 チェルシーはアントニオ・コンテ新監督の下で野心的な新プロジェクトを立ち上げようとしており、イグアインはその重要な駒になると考えている。4-2-4や3-5-2など2トップのシステムを好むコンテは、イグアインにその一角を任せたい意向だ。
 
 一方、ユナイテッドは今夏のパリSG退団を発表済みのズラタン・イブラヒモビッチ、エディンソン・カバーニ(パリSG)、ハリー・ケイン(トッテナム)とともにイグアインを新エース候補の一人と考えている。予定通りジョゼ・モウリーニョがレッド・デビルズの新監督に就任すれば、マドリー時代以来の再会を果たすこととなる。
 
 過去には獲得寸前までいったことがあるアーセナルは、今回は争奪戦に参戦していない。さらにバイエルンという線もあるが、それはあくまでもロベルト・レバンドフスキがレアル・マドリーに移籍した場合だけ。カルロ・アンチェロッティ新監督はレバンドフスキを高く評価しており、放出を望んではいない。したがって、バイエルン行きの可能性は低い。

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