拭えない違和感、細谷のゴール無効はフットボールを腐敗させる。そもそもオフサイドは何のためのルールなのか【パリ五輪/コラム】

2024年08月03日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

危機感を募らせる事象

細谷のゴールが認められていれば。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 現地時間8月2日、パリ五輪の準々決勝で日本がスペインに0-3と敗れた。正直、その点差ほどスペインに押し込まれたわけではなく、日本にも勝てるチャンスがあった。間違いなく好勝負だっただけに、やはりVARで取り消された細谷真大のゴールが悔やまれた。

 ルールはルールなので、厳密に言えば確かにオフサイドである。ただ、本来オフサイドは「敵陣内での待ち伏せを防ぐルール」。それに照らし合わせると、細谷のゴールが取り消されたことに違和感を抱いてしまう。

 40分に藤田譲瑠チマとの連係でスペインの守備陣を打ち崩した細谷のアクションは見事で、スペイン側から見たら完全にやられた印象だった。「オフサイド」と抗議するスペインの選手が見当たらなかった点でも、ほぼ完璧なゴールだったのだ。
 
 それがVARによって無効にされる。オフサイドのルールを見直さないと、今後フットボールは腐敗していくのではないか。そうした危機感を募らせる事象でもあった。

 決めるべきところできっちりと決めたスペインは勝者に相応しかった。勝負どころを嗅ぎ分けるあたりはさすがで、それが0-3というスコアに反映されている気がする。それでも…。女々しいのは承知だが、細谷のゴールで追いついたあとの"アナザーストーリー"を見たかった。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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