「PKって、私の中で生き物」値千金の同点弾、なでしこ熊谷紗希は「飲まれないこと、自分のリズムで蹴ること」に集中していた【パリ五輪】

2024年07月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

「何としてもチームを助けたいなと思っていた」

PKで同点弾の熊谷。GKの動きをよく見て、確実に決めてみせた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 1点ビハインド、90+2分。外せば、勝点がさらに遠のく。

 そんなシチュエーションで、主将の熊谷紗希はPKを確実に仕留めてみせた。

 現地7月28日に行なわれたパリ五輪のグループステージ第2戦で、池田太監督が率いる日本女子代表はブラジル女子代表と対戦。前半終了間際に田中美南がPKを失敗。スコアレスで迎えた56分、ジェニフェルに決められて先制を許した。

 0-1のまま時計の針は90分を回る。だがアディショナルタイムに途中出場の谷川萌々子が果敢な仕掛けでPKを奪取。キッカーを務めた熊谷は、その時の心境を次のように明かす。

「もうやるしかないっていう気持ちと、何としてもチームを助けたいなと思っていた。あの状況で、勝点1が残るか、どうかってところはすごく重要でしたし、何よりも自分たちが欲しい勝点だった」

 極度のプレッシャーがのしかかってもおかしくはない状況。だが、「蹴る瞬間は、本当に落ち着いてというか、ボールに集中するだけだなと思っていて。だいぶ集中して蹴れました」という。
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 PKの瞬間、GKが左に動くのが見えた。その逆を突いた。

「PKって、私の中で生き物だなと思っていて。その時、その時でかなり違ったシチュエーションがあるなと思っていて、とにかく、あそこに飲まれないこと、自分のリズムで蹴ること、そこだけに集中する」

 データに頼ったわけではない。最初から蹴るコースを決めていたわけでもない。余計なことは考えず、状況に応じてアレンジする。

「最初は本当に、置きにいって外すのは嫌だなと思っていたので、思い切り蹴ろうかなと思っていたんですけど、うまいことキーパーが見えちゃったので」

 冷静で度胸満点。2011年の女子ワールドカップ初優勝、12年のロンドン五輪の銀メダルにも貢献するなど、実績十分なキャプテンがなでしこジャパンを力強く牽引している。

 なお、熊谷のPKで同点に追いついた日本は、その4分後に谷川がスーパーゴールを決め、2-1の逆転勝利を飾った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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