「選手たちにも責任がある」新体制の初陣で久々出場の横浜・水沼宏太が語った指揮官交代への想いとキューウェル前監督へのメッセージ

2024年07月21日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

悔しい経験を踏まえて、次に進む一歩目に

9試合ぶりにリーグ戦のピッチに立った水沼。指揮官交代への想いも語った。(C)SOCCER DIGEST

[J1第24節]町田 1-2 横浜/7月20日/国立競技場

 4日前にハリー・キューウェル監督との契約を解除した横浜は、ジョン・ハッチンソン暫定監督体制で初の公式戦となったJ1第24節・町田戦を、2-1で勝利した。

 横浜は新体制で首位の町田から白星を飾れたことはもちろんだが、水沼宏太が9試合ぶりにリーグ戦で起用されたことも嬉しいニュースのひとつだろう。

 82分にヤン・マテウスとの交代で背番号18がピッチに入ると、ファン・サポーターは"待っていました"という気持ちを伝えるかのように、ひと際大きな拍手とチャントを送っていた。
【画像】マリノス戦士が大集結!慕われていたキューウェル元監督
 
 試合後、水沼は次のように振り返った。

「監督が代わるのはチームとして一大事だし、選手たちにも責任があると思う。僕自身は試合に出ていなかったけど、チームを良い方向に持っていかせることができなかったし、そこのレベルに達していなかったという悔しい気持ちがあった。

 でも久々に試合に出られて、やっぱり楽しかった。準備段階も含めてチーム全員で戦うという意味では、良い雰囲気でやれているし、その一員としてもっともっとパワーを与えられる存在になれたら。自分たちは守り切るんじゃなくて、攻め勝つチームを目ざしていかなきゃいけない。僕ら(交代選手)がもっともっと攻撃に転じるパワーを出していけると思うし、まだまだ高みを目ざせる」

 キューウェル体制下では出番が限られた水沼だが、45歳の元オーストラリア代表が日本を離れる際は喜田拓也ら数人の選手とともに、羽田空港まで見送りに行った。最後にどんな話をしたのか。

「僕自身は悔しい思いをしたし、ハリーとも何回も話をしたけど、なかなかピッチに立つことができなかった申し訳なさもある。それを含めて半年間、一緒に戦えた感謝の気持ちを伝えられて、自分の中ではすっきりした。僕自身はそういう経験を踏まえて、また次に進んでいくことができればと思うし、その一歩目として、今日の試合に久々に出られて、チームが勝つことができたので良かった」

 34歳のMFは、ここから巻き返しを目ざす。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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