ロシアW杯では強者と真っ向勝負ができるようになっていた
クバラツヘリア(右端)らを擁し、初出場のEUROで躍進したジョージア。(C)Getty Images
EURO2024、ジョージアは強豪国と堂々と渡り合って、一陣の風を吹かせている。大番狂わせ。サッカーの醍醐味だ。
グループステージ、ジョージアはチェコに引き分けた後、ポルトガルに勝利。ノックアウトステージ進出の栄誉を勝ち取っている。ラウンド16でも、スペインを相手に、カウンターから先制。今大会、最強の誉れ高い相手に冷や汗をかかせた。その後、力の差を見せつけられ、1-4と敗れ去ったが…。
守護神ジョルジ・ママルダシュビリ、攻撃の切り札フビチャ・クバラツヘリアの二人が、攻守の両輪を回していた。ビッグセーブ連発で守り、一撃で仕留める。シンプルだが効果的で、他の選手はハードワークを惜しまず、堅牢なブロックを作っていた。
その戦い方はジャイアントキリングを起こす、一つの模範と言えるだろう。
かつて、日本代表もそのプロセスにあった。
2010年南アフリカ・ワールドカップのベスト16進出は、ジョージアと同じ論理を使っていた。フォーメーションは違うし、選手の特色もやや異なるが、アンカー採用で守りを分厚くし、全員守備をする一方、本田圭佑や大久保嘉人に一発を託した。いわゆる弱者の兵法だった。
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グループステージ、ジョージアはチェコに引き分けた後、ポルトガルに勝利。ノックアウトステージ進出の栄誉を勝ち取っている。ラウンド16でも、スペインを相手に、カウンターから先制。今大会、最強の誉れ高い相手に冷や汗をかかせた。その後、力の差を見せつけられ、1-4と敗れ去ったが…。
守護神ジョルジ・ママルダシュビリ、攻撃の切り札フビチャ・クバラツヘリアの二人が、攻守の両輪を回していた。ビッグセーブ連発で守り、一撃で仕留める。シンプルだが効果的で、他の選手はハードワークを惜しまず、堅牢なブロックを作っていた。
その戦い方はジャイアントキリングを起こす、一つの模範と言えるだろう。
かつて、日本代表もそのプロセスにあった。
2010年南アフリカ・ワールドカップのベスト16進出は、ジョージアと同じ論理を使っていた。フォーメーションは違うし、選手の特色もやや異なるが、アンカー採用で守りを分厚くし、全員守備をする一方、本田圭佑や大久保嘉人に一発を託した。いわゆる弱者の兵法だった。
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それが2018年ロシアW杯では、強者と真っ向勝負ができるようになっていた。それは選手一人一人の成長が大きかった。日頃から欧州トップレベルの戦いをしている選手が多くなり、長谷部誠、酒井宏樹、吉田麻也のプレーは堂に入っていた。能動的なプレー時間が増え、ラウンド16のベルギー戦は語り草だ。
しかしながら、2022年カタールW杯は選手たちこそ、より「世界」を経験していたが、戦い方自体はやや時代を巻き戻したところがあった。同じような結果を出したのは幸いだったが、前進したとは言えない。戦力は上がっているだけに、ピッチの上でイニシアチブを取れるような戦いを目ざすべきだろう。
なぜなら、ジョージアは称賛に値する戦いをしたが、結局はベスト16止まりだった。そこが限界なのである。弱者の兵法で国際大会を制した例も、EURO2004のギリシャなど確かに存在する。しかし、ほとんどのチームは栄光には辿り着けない。ベスト16というのは一つのラインになるのだ。
もし日本代表が、「W杯ベスト8以上」を本気で目ざしているなら、守っている時間帯を少なくし、攻めている時間を単純に増やすしかない。そこから先に、精度やバリエーションの話になるだろうが、日本代表選手の面子を見ている限り、不可能な話ではない。
日本はジョージア以上の戦いを目ざすべきだ。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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しかしながら、2022年カタールW杯は選手たちこそ、より「世界」を経験していたが、戦い方自体はやや時代を巻き戻したところがあった。同じような結果を出したのは幸いだったが、前進したとは言えない。戦力は上がっているだけに、ピッチの上でイニシアチブを取れるような戦いを目ざすべきだろう。
なぜなら、ジョージアは称賛に値する戦いをしたが、結局はベスト16止まりだった。そこが限界なのである。弱者の兵法で国際大会を制した例も、EURO2004のギリシャなど確かに存在する。しかし、ほとんどのチームは栄光には辿り着けない。ベスト16というのは一つのラインになるのだ。
もし日本代表が、「W杯ベスト8以上」を本気で目ざしているなら、守っている時間帯を少なくし、攻めている時間を単純に増やすしかない。そこから先に、精度やバリエーションの話になるだろうが、日本代表選手の面子を見ている限り、不可能な話ではない。
日本はジョージア以上の戦いを目ざすべきだ。
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【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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