【CL準決勝】ワンチャンスをモノにし、バイエルン撃破の立役者となったグリエーズマン「非常に重要なゴール。最高の気分さ」

2016年05月04日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

2トップの一角から右サイドへのポジションチェンジが功を奏する。

54分のワンチャンスを見事にモノにしたグリエーズマン。アトレティコのCL決勝進出の立役者となった。(C) REUTERS/AFLO

 5月3日のチャンピオンズ・リーグ準決勝セカンドレグ。バイエルンの猛攻を受けた前半、アトレティコ・マドリーのアントワーヌ・グリエーズマンはほとんどボールに触れなかった。
 
 相棒フェルナンド・トーレスとともに前線から献身的にチェイシングを繰り返したものの、31分にシャビ・アロンソに直接FKを決められた後もアトレティコ自慢の速攻はなかなか効果的に繋がらず。シュート0本という数字が示す通り、グリエーズマンは攻撃では効果的に動けていなかった。
 
 しかし、後半からディエゴ・シメオネ監督がアウグスト・フェルナンデスを下げてヤニック・カラスコを投入。システムが4-4-2から4-1-4-1に代わり、グリエーズマンは2トップの一角から右サイドアタッカーにポジションを移した。
 
 これが功を奏する。中央よりもややプレッシャーの弱い右サイドでボールに触る機会が増加。そして、54分にはワンチャンスで大仕事をやってのける。素早いトランジションで右サイドを駆け抜けると、後方からの縦パスを頭でF・トーレスに落とし、そのままワンツーでスルーパスを受けて独走。世界最高のGKマヌエル・ノイアーとの1対1を冷静に制して、左足の一撃でゴールネットを揺らす。まさに値千金のアウェーゴールだった。
 
 グリエーズマンはその直後にも右サイドからのカットインで直接FKを奪うなど、巧みなキープからドリブルとパスを効果的に使い分けて、82分にベンチに退くまでバイエルンの脅威となり続けた。
 
 アトレティコは74分にロベルト・レバンドフスキにゴールを許すが、そのままバイエルンの攻撃を耐え忍んで1-2でタイムアップ。2試合合計スコアは2-2、グリエーズマンのアウェーゴールが決勝点となってファイナル進出を決めた。
 
「とても嬉しいよ。バイエルンは強敵だったし、とてもハードなゲームだった。でも、僕たちはよく守ったし、うまく得点できた。非常に重要なゴールだった。最高の気分さ。地に足を付けて、まずはリーガ・エスパニョーラの次の試合に集中したい。チャンピオンズ・リーグのファイナルはそれから考えるよ」
 
 これで今シーズンの公式戦通算得点は自己最多の31。チームでも断トツのトップスコアラーだ。入団2年目で押しも押されもせぬアトレティコのエースに伸し上がったグリエーズマンが、バイエルン撃破の決定的な違いとなった。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
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