ゴール、アシスト、位置取りetc.…相手に脅威を与え続けた香川

2016年05月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

良いかたちでボールを受け、シュートまで持ち込む場面も倍増。

先制時には少し驚いた表情を見せた香川だが、瞬時に反応し、しっかり枠に飛ばせるのは、心身ともに充実している証か。これで通算ゴール数を9に伸ばした。 (C) Getty Images

 4月30日(現地時間)、ブンデスリーガ第32節でドルトムントはホームにヴォルフスブルクを迎え、5-1の完勝を飾った。
 
 バイエルンが勝てばリーグ優勝が決まるという状況だったが、ドルトムントは目の前の戦いだけに集中し、序盤からアウェーチームに圧力をかけてゴールに迫る。
 
 先制点は7分。左SBシュメルツァーのクロスからムヒタリアンがボレーを放つと、ボールはゴールではなく真横に飛んだが、その先にいた香川が素早い反応でこれを詰め、前節シュツットガルト戦に続く先制点を決めた。
 
 さらにその2分後、前線へ抜けようとしたロイスへの縦パスがこぼれたところを、後方から追っていた香川が拾い、コースもタイミングも文句なしのパスを通して、ラモスのゴールをお膳立てした。
 
 縦パスがよく通り、中盤や前線でボールが回るドルトムント。これは、ヴォルフスブルクのプレッシャーが甘く、スペースと自由と時間を与えてしまったからであり、その後もこの状態は続いていった。
 
 後半、序盤こそヴォルフスブルクが攻め入るも、ドルトムントはこれを無難に凌ぎ切り、ボールを奪っては一発のパスで相手の守備を切り裂き、時に個人の力で、時に複数の選手の連動によってチャンスに結び付けていく。
 
 59分、香川のパスを受けたベンダーがシュートを放ち、GKベナーリオが弾く。これを香川が詰めるも、再びベナーリオがセーブ。しかし、そのこぼれ球を追ったラモスが後方に戻すと、ロイスがダイレクトで決めてリードを3点に広げた。
 
 完全に安全圏内に入ったドルトムントは、無理をすることがなくなったが、ここぞという時に一気に畳みかけてチャンスを量産、再三ヴォルフスブルクDF陣を慌てさせる。
 
 そして77分、一発のロングパスで左サイドを抜け出したムヒタリアンが余裕を持ってクロスを上げると、これを頭で合わせたのは交代出場のオーバメヤン。彼はその1分後、今度はシュメルツァーの左からのクロスを受け、再び頭で決め、今シーズンの通算ゴール数を25とした。
 
 ヴォルフスブルクは86分、クルゼのパスを受けたシュールレがGKビュルキとの1対1を制してようやく一矢を報いたものの、あまりに遅すぎ、試合は間もなく終了を迎えた。
 
 ドルトムントはリーグ3連勝、そしてDFBカップ準決勝ヘルタ・ベルリン戦を含め、4試合連続で3点差以上をつけての勝利を飾り、改めてその強さを示すこととなった。
 
 そして、1ゴール1アシストという目に見える結果を残した香川。局面での位置取りが抜群に良く、常に良いかたちでボールを持つことができた結果、これまで以上にシュートまで持ち込む場面も多かった。
 
 さらにラモスへの丁寧かつ親切なアシストにも見られたように、センスの良さが感じられる好パスを幾度も披露。この試合でのアシスト数がさらに増えていてもおかしくなかった。
 
 ボールを受けた後の鋭い反転からドリブル、もしくは好パスを通すという好調時のプレーも見られ、心身ともにコンディションの良さを窺わせた香川。常に嫌な位置に入り込み、嫌なプレーをする、相手にとって脅威の存在であり続けた。
 
 今節はバイエルンがボルシアMGと引き分けたことで、優勝争いの決着は次節以降に持ち込まれたが、今後もバイエルン(次節はアウェーでのインゴルシュタット戦)が勝てばマイスターシャーレを手にするということに変わりはない。
 
 そんななか、ドルトムントは次節(7日)、降格回避のために必死のフランクフルトの敵地に乗り込む。このところの驚異的な勢いを、最終節、そしてバイエルンとのDFBカップ決勝まで持続できるか。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事