【U-18プレミア】Jユース昇格を断って青森山田へ――。チーム伝統の「7番」を背負う2年生MFの覚悟

2016年04月27日 安藤隆人

「もっとプレーの精度を高めて『新しい7番像』を作りたい」

今季、青森山田の『エースナンバー』でもある7番を着ける郷家。チームの主軸のひとりとしての自覚も十分だ。写真:安藤隆人

 高円宮杯U-18プレミアリーグ3節・柏U-18対青森山田の一戦は4月24日、柏のホーム・日立柏サッカー場で行なわれた。

 開幕2連勝でアウェーに乗り込んだ青森山田だったが、この日は柏U-18のエース・中村駿太に2ゴールを許すなど0-3で敗れ、今大会初黒星を喫した。しかし、敗れはしたものの今季のさらなる進撃を予感させる好プレーヤーの躍動もあった。ここでは、青森山田が誇る期待の2年生MF、郷家友太をピックアップしたい。
 
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「サニックス杯でコーチから背番号を発表されたのですが、まさかの番号で、正直驚きました。もらった瞬間は、ずっしりと重かったです」
 
 仙台からやって来た郷家友太は、2年生になった今年、チームの『ダブルエースナンバー』のひとつである7番を託された。中学時代はベガルタ仙台ジュニアユースに所属し、ユース昇格を蹴って、ずっと憧れていた青森山田高にやってきた彼にとって、伝統の「7番」が持つ意味を誰よりも熟知していた。
 
 7番は過去、椎名伸志(富山)、差波優人(仙台)らが背負い、昨年は今年から10番になったMF高橋壱晟が背負った『出世ナンバー』。それを背負っている以上は、チームを勝利に導く責任がある。だが、この試合で彼はそれを果たせなかった。
 
「壱晟さん、(アンカーの住永)翔さんと(自分と)の距離感が良くなかった。ボールを収められなかったし、セカンドボールも上手く拾えなかった」
 
 彼の特徴は的確な状況判断と正確なボールコントロールを活かした、ワンタッチ、ツータッチプレー。ボールを高い位置でリズムよく捌くことで、攻撃を活性化させる潤滑油的な役割だ。だが、この日はいつもの滑らかさを表現できず、ミスも目立った。
 
「まだまだ7番の責任を果たせていません。もっとプレーの精度を高めて、『新しい7番像』を作りたい」
 
 反省しきりだが、自覚と意欲は十分。堂々たるプレーで攻撃のタクトを振るう新・7番の姿を見せるのはまだまだこれからだ。本領発揮の時はすぐそこまで迫っていると期待したい。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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