【移籍専門記者】ケインの後釜はイガロ? トッテナムと代理人の最終合意が視野に入る

2016年04月26日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

チェルシーとマンチェスター・Uを尻目にトッテナムが攻勢に出る。

ここまで15ゴールとブレイクしたイガロ。相棒ディーニ―との好連携は「プレミアリーグ屈指の2トップ」と謳われる。(C)Getty Images

 プレミアリーグで首位レスターを必死で追い掛ける2位トッテナム。しかし、残り3試合で勝点7差と旗色は悪く、悲願の優勝には手が届かない可能性が高い。
 
 しかし、今シーズンのワトフォードでブレイクしたナイジェリア人ストライカー、オディオン・イガロの争奪戦に関しては、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドを尻目に先頭を走っている。
 
 これまで代理人はチェルシー、そしてイガロを気に入るジョゼ・モウリーニョの監督就任が内定しているマンチェスター・Uと話し合いを持ち、移籍の可能性を探ってきた。
 
 だが、ここにきてピッチ上だけでなくメルカートでも野心的な動きを見せているトッテナムが、一気に攻勢に出た。「ハリー・ケイン(マンチェスター・U行きがありえる)を売却した場合の後釜としてエースストライカーに」という明確なプロジェクトを提示したのだ。
 
 イガロはまだ結論を出していないが、エージェントとクラブの話し合いはかなりのところまで進んでおり、最終合意が視野に入ってきた。
 
 18歳で母国を離れ、ノルウェーを経てイタリアへ。しかしウディネーゼとチェゼーナでは芽が出ず、スペインのグラナダへのレンタルを4シーズン挟み、そして25歳で移籍したワトフォード(オーナーはウディネーゼ、グラナダと同じポッツォ家だ)で、ついにブレイクした。
 
 昨シーズンは2部リーグで20ゴール、プレミアリーグに初挑戦した今シーズンもここまで15ゴール。パワー、狡猾さ、テクニックを併せ持ち、トップクラブへのステップアップに向けて機は熟した。そして、トッテナムがその舞台になる可能性は高い。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
 
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