【森保ジャパン】6月シリーズでチェックしたい4つのポイント。現状のフルメンバーを招集、収穫のある活動にしなければならない

2024年06月03日 元川悦子

このまま最終予選に突入するのはリスクが高い

アジア杯で露呈した課題の克服は必須。ロングボールへの対応でいかに改善できるか。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 2026年の北中米ワールドカップで優勝を目ざしている日本代表。だが、ご存じの通り、1~2月のアジアカップではイラクとイランに敗れ、8強にとどまった。

 空中戦とリスタートの守備の脆さという課題に直面し、伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)と三笘薫(ブライトン)という看板サイドアタッカー不在の攻撃という部分でも乏しさを露呈した。少し時間が経過してしまったが、その事実を忘れてはならないだろう。

 加えて言うと、3月のW杯アジア2次予選・北朝鮮2連戦のうち、平壌開催の第2戦が中止になり、活動期間が5日間に短縮された。しかも、18日と22日はコンディション調整をしただけで、まともな練習ができたのは2日程度。アジア杯の修正に本格的に着手できたとは言い難く、森保一監督も、このまま最終予選に突入するのはリスクが高いと考えたはずだ。

 すでに最終予選進出が決まっているなかで、今回の6月シリーズではテスト的な要素を最小限にし、フルメンバーを招集したのも、ここでチームのベースを固めておく必要がある、という危機感を抱いたからに違いない。

 シーズンを戦い抜き、疲労困憊の欧州組を中心としたチーム編成にした以上、収穫のある活動にしなければならないのは事実。ここで森保監督がやるべきことを改めて整理したい。

 まずは先述の通り、アジア杯の課題と向き合うことが第一だ。蹴り込まれた時の対応が不安定というのは大会を通して見受けられた。今回の2試合のうち、特にシリアはイラクやイランの戦い方を踏襲してくる可能性が高い。

 相手のロングボールの出どころを抑えに行くのか、後ろで跳ね返すのかという意思統一をチームとして明確にしなければ、最終予選では同じ轍を踏む恐れがないとは言えない。リスタートの守備を含めて、しっかりと整理しておくことが重要だろう。
 
 2つ目は伊東・三笘不在時の戦い方のバリエーションを広げること。右サイドに関しては、アジア杯では堂安律(フライブルク)が毎熊晟矢(C大阪)、久保建英(レアル・ソシエダ)と絡みつつ、好連係を披露した。が、今回は毎熊が選外。菅原由勢(AZ)や橋岡大樹(ルートン)とのコンビネーションを高める必要がある。

 鎌田大地(ラツィオ)や旗手怜央(セルティック)の復帰によって、久保が右サイドで使われる可能性もある。そのあたりも視野に入れ、サイドを個人で一気に打開するタイプの伊東とは違った崩し方を確認しておきたいところだ。

 左サイドに目を向けると、三笘不在時の第一オプションは目下、前田大然(セルティック)が入る形。彼も前からのプレッシングのみならず、スピードを活かした仕掛けを出せるようになっている。

 アジアの格下相手に質と回数を高めていければ、森保監督にとっては大きな安心材料になる。さらに旗手や相馬勇紀(カーザ・ピア)らも左サイド要員と位置づけられるため、彼らが入った時にどうするかも再確認しておく必要がある。

 左サイドバックに伊藤洋輝(シュツットガルト)が入るのか、長友佑都(FC東京)が入るのかによって前のアタッカーやボランチの選手のプレーも変わってくる。そのすり合わせも確実に進めるべきだ。

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