引退したNBAの英雄、コビー・ブライアントが幼少期に憧れたサッカー選手とは?

2016年04月22日 吉田治良

6歳で移住したイタリアでサッカーに惹かれていった。

2013年にリオで開催されたナイキのイベントでコビーは、親交の深いロナウジーニョと共演している。(C)REUTERS/AFLO

 4月13日のゲームを最後に、ついに現役生活にピリオドを打ったNBAの英雄、コビー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)。そのジャズとのラストゲームでは、大量60得点をマークする"奇跡のラストショー"を演じ、改めて正真正銘のスーパースターであることを証明したが、その彼がサッカーと深いつながりがあったことは、NBAファン以外にはあまり知られていないかもしれない。
 
 1978年8月23日、アメリカ北東部に位置するペンシルバニア州フィラデルフィアで生を受けたコビーだが、プロバスケットボール選手だった父ジョーの海外リーグ移籍に伴い、6歳の時に一家揃ってイタリアに移住している。
 
 物心ついた頃からバスケットボールに親しんできたコビーだが、やはりイタリアではサッカーが一番の人気スポーツ。彼も他の少年たちと同様にサッカーに惹かれていく。ただし当初は、ボール捌きがお世辞にも上手いとは言えず、手足の長いコビーが任されたのは、決まってGKだったという。
 
 もちろん一番夢中になったのはバスケットボールだったが、一緒にプレーする仲間は少なく、学校のグラウンドはいつもサッカー少年たちに占拠されてしまう。
 
「そうなったら家に帰るか、キーパーをやるほかなかった」とは、コビー本人の回想だ。
 
 それでも、負けず嫌いのコビーはサッカーの練習を続け、いつしかMFを任されるまでに上達する。ちなみに当時の贔屓チームはACミラン。好きな選手はマルコ・ファン・バステンだったそうだ。実際、2013年にはミランの練習場ミラネッロを訪問。「ここに来ることは夢だった」と感慨深げに話している。
 
 約7年のイタリア生活のあと、アメリカに戻ってからのバスケットボール選手としての活躍は、今さら説明するまでもないだろう。ただ、コビーのサッカー好きはその後も変わらず、最近ではバルセロナがお気に入りのチームだと公言。ロナウジーニョ、リオネル・メッシという新旧のエースとは深い交流があるという。なお、親友と呼べる間柄のメッシとはかつて『トルコ航空』のCMで共演。世界中で話題になったのは記憶に新しい。
 
 コビー以前のNBAを代表するスーパースター、マイケル・ジョーダンは一度目の引退後、MLBに挑戦している。もしかしたらコビーがサッカー選手に転身、なんてこともあるかもしれない?

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