【リオ五輪代表】ようやく「スタートラインに立った」小川諒也。自慢のクロスで五輪への扉を開けるか?

2016年04月13日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「遠い存在」だった五輪も、試合出場を重ねて「意識する」ように。

小川はクラブでスタメン出場を続けている勢いを持って、初の手倉森ジャパンに乗り込んできた。自慢のクロスでアピールし、五輪への扉を開けるか見物だ。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 今回の静岡合宿で、プロ2年目のDF小川諒也はチーム最年少(1996年11月24日生まれの19歳)にあたる。山中亮輔の負傷で手倉森ジャパンに追加招集されたが、これまで年代別代表とも無縁だった小川にとって、五輪は当初「遠い存在」だった。

【U23日本代表PHOTO】トレーニングキャンプ@静岡】

 それでも、昨季FC東京で公式戦に出られず悔しい想いをするなか、挫けずにしっかりと練習を重ねてきた。すると、3月1日のACLビン・ズオン戦で左SBに抜擢。U-23代表候補の室屋成が左足ジョーンズ骨折(全治3~4か月)、駒野友一が右ふくらはぎを負傷したことで巡ってきたチャンスとはいえ、クラブでのデビュー戦でいきなりアシストをマークした。そこからリーグ戦でも5試合連続でスタメン出場(うち4試合がフル出場)を続けており、五輪の「位置付け」にも少しずつ変化が起こり始めている。
 
「(僕は)プロ1年目の時点では試合にも出ていない。今季、試合に出られるようになって五輪を意識するようになったし、ようやくスタートラインに立てたと思う。リーグ戦に関しては、自分としてはまだまだだと思う。代表は一つひとつプレーの質が高いし、自分は必死に食らい付いていくだけかなと」
 
 小川の特長は、なんと言っても精度の高い左足のキックだ。流経大柏高時代から意欲的に取り組んできたが、太田宏介(現フィテッセ)の存在が成長を加速させた。
 
「プロ1年目の時に太田選手のFK、CKを間近で見て刺激になった部分はある。クロスの練習とかいつも一緒だったので、蹴り方のコツ、どこを狙えばいいのかアドバイスをもらった。一番印象的だったのは、ニアに合わせる時に『GKを狙っている』と聞いたこと。あとは、クロスは『人に合わせるのではなく、スペースに合わせる意識で蹴っている』、と。どちらかと言うと、自分は人に合わせようとしていて、合わないところがあったので、それを変えて上手くいった。良い方向に繋がっていると思う」

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