【リオ五輪代表】世界のスタンダードに追い付くために――。岩波が主将・副将不在のチームを牽引する

2016年04月12日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「植田と奈良に刺激を受けながらも、ふたりには絶対に負けたくない」

キャプテンの遠藤が不在のため、これまで以上にリーダーシップの意識は高い。練習中にもチームメイトへの声掛けや初招集の選手への声も欠かさなかった。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 今回の静岡合宿には、U-23代表キャプテンの遠藤航がACL出場のため、副キャプテンの大島僚太が故障明けのため、ともに姿を見せていない。となれば、守備陣の柱としてチームを支えてきた岩波拓也に、先導役を期待してしまう。本人もリーダーシップは先述のふたりがいる時以上に意識しているようで、「自分の立ち位置を考えても、リーダーの自覚を持ちながらプレーしたい」と力強く語る。

【U-23日本代表PHOTO】 トレーニングキャンプ@静岡
 
「静かな選手が多いなかで、俺は本当にいろんな選手とコミュニケーションが取れる。そういう意味で、今回初めて来た選手たちが良い形で入れるように助けたい。ゲーム形式の練習をして、細かい部分もだいぶすり合わせができてきた。彼らもみんなJリーグで結果を残して集まってきているからそこまで差はないし、逆に対戦して良い選手だなと思う人が来たり、チームの競争意識も高まっていてすごく良い感じだと思う」
 
 ステップ&スプリントのメニューで、ハードル機材をすべて倒してしまった三竿健斗に「おい、おい、ふざけるなよ!」と話しかけて笑いを誘えば、戦術練習ではパスミスを犯した際に前線の選手に「ごめん!」と大声で謝る――。合宿2日目のこの日も、チームの中心には岩波がいた。その背景には、所属する神戸が好順位(現在リーグ5位)につけている充実感と、クラブで活躍しているCBのライバルたちへの対抗心があるという。
 
「自分が今争っているCBを見ると、(植田と奈良が)J1で結果を出して上位にいる。今は俺自身もリーグで調子がいいけど、彼らの活躍が刺激になって良いパフォーマンスが出せていると思う。刺激を受けながら、でもふたりには絶対に負けたくない。キャンプは期間が短いので、なにか良いプレーをするというよりも、安定して(失点を)ゼロに抑えたい」

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