【移籍専門記者】モウリーニョ政権誕生が濃厚なマンU。最終ラインに狙うストーンズ、ヴァランヌ、マクシモビッチらの中で獲得の可能性が高いのは?

2016年04月11日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

モウリーニョは昨夏に続きストーンズの引き抜きを望んでいる。

モウリーニョは新天地になる見込みのマンチェスター・Uに、(左から)ヴァランヌ、ストーンズ、マクシモビッチらを迎え入れたいと考えている。(C)Getty Images

 ジョゼ・モウリーニョのマンチェスター・ユナイテッド新監督就任は、もはや既成事実だ。最近のポルトガル人指揮官はあちこちのスタジアムに足を運び、すでに獲得ターゲットの品定めに入っている。
 
 とくに脆弱な最終ラインに関しては、2~3人の主力クラスを釣り上げようと画策中だ。モウリーニョのトップターゲットは、おそらくエバートンのジョン・ストーンズ。チェルシーを率いていた昨夏に、モウリーニョがこの若手CBの引き抜きを切望したのは記憶に新しく、継続して強い関心を寄せていると見て間違いない。
 
 エバートンは昨夏に3500万ポンド(現在のレートで約53億円)を要求したように安売りする気は毛頭ない。とはいえ、ユナイテッドの資金力と気前の良さを考えれば、交渉成立は十分にありえる。
 
 また、昨夏のマッテオ・ダルミアンに続き、またしてもトリノのDFに興味を示している。今度のターゲットはセルビア代表の24歳ニコラ・マクシモビッチ。世界的な知名度こそ低いが、高さと俊敏さを合わせ持ち、CBだけでなくSBもこなす柔軟性が魅力の大型ディフェンダーだ。すでに十分に完成された選手ながら、さらなる伸びしろを残している。
 
 ユナイテッドは数か月前から毎週のようにスカウトを送り込んでそのパフォーマンスをチェックしており、トリノに交渉を持ちかけるタイミングを伺っている状況だ。ただ、マクシモビッチにはナポリも強い興味を示しており、今年1月には獲得寸前まで交渉を進めた経緯がある。今夏はユナイテッドとナポリが争奪しそうな気配だ。
 
 さらに、モウリーニョはレアル・マドリー時代の教え子ラファエル・ヴァランヌも気に入っている。しかし、こちらは現実的ではない。このCB不足のご時世に、向こう10年に渡って最終ラインを任せられるワールドクラス予備軍の若手を、みすみす売りに出すはずがないし、マドリーのクラブ哲学からしても考えられない。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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