日本のトラップに中国がまんまとハマった。別格の存在感を示したのは…【U-23アジア杯/コラム】

2024年04月17日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

最後まで走り抜いたタフネスは称賛に値

中国戦で勝利に貢献した松木。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2024年4月16日、U-23アジアカップに臨む日本代表がグループステージ初戦で中国代表を1-0と撃破。17分にCB西尾を退場で失うアクシデントに見舞われながらも、9分に松木が決めたゴールを守り切って勝点3を手にした。

 試合を総括するうえで押さえておくべきポイントのひとつが、10人になってからの日本の守備だ。4-4-1システムで2ブロックを敷き、最前線の細谷がパスコースを可能な範囲で限定するやり方が結果的にハマった。

 中国の拙攻に助けられた部分はもちろんあるし、それなりにピンチもあった。GK小久保のファインセーブがなければとの見方もできるが、日本の守備は組織として機能していただろう。日本が仕掛けた4-4-1のトラップに中国がまんまとハマった印象さえあった。

 細谷に敵CBふたりをケアさせて、それ以外のフィールドプレーヤーは同数で守る。この策が結果的に良かった。

 10人になってからフィールドプレーヤーで素晴らしかったのは、藤田と松木のボランチコンビ。危険なスペースを首尾よく潰しつつ、ボールを奪えばタメを作って味方が呼吸できる時間を確保した。特に松木の攻守に渡る貢献度は素晴らしく、最後まで走り抜いたタフネスは称賛に値した。
 
 スタート時は4-3-3システムのインサイドハーフ、西尾の退場直後は左サイドバック、MF山本に代えてCB木村を投入してからはボランチと、複数のポジションを難なくこなした柔軟性も見事で、おまけに決勝点まで決めている。中国戦については別格の存在感を示したひとりと言えた。

 その松木がいたからこそ、4-4-1システムが破綻しなかったとの見方もできるだろうか。実際、彼が前につり出された時はピンチになる傾向があった。いずれにしても、松木というプレーヤーの戦力的価値が高まった試合だったと断言できる。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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