【福岡】4試合を終えて未勝利で最下位…。悪しきジンクスの打破に欠かせない4つのポイント

2016年04月01日 中倉一志

守勢に回る時間が長くなるのはやむを得ないが…。

井原監督は臨機応変な采配で勝利まであと一歩のところまで漕ぎ着けている。5節の新潟戦で初勝利なるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 昇格プレーオフの末に勝ち上がったチームは1年で降格する――。4節終了時でいまだ勝利なく最下位に沈む福岡だが、果たしてそんな嫌なジンクスを破れるのか。長年、クラブを追い続けてきた記者が、最大の目標である「J1残留」を実現するために必要な4つのポイントについて語る。
 
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ポイント1)攻撃面では五輪代表候補・金森の好調とセットプレーは光明
 
 奪ったボールを、いかに素早く前線につなげられるか。少ないチャンスを、いかに確実に決められるか――。それをテーマにオフから取り組んできたが、「守」から「攻」への切り替えのスピードという点では、まだまだ物足りない。
 
 さらに、チームとして守備に追われる時間が長いため、攻撃の起点となるべきウェリントンが前線で孤立し、セカンドボールを活かせないという課題も依然として残ったままだ。
 
 とはいえ、コンディションの良さを窺わせる金森が、J1レベルと言えるパフォーマンスを見せているのは明るい材料だ。また精度の高いセットプレーなど、今後に向けての光明も少なくない。
 
ポイント2)ブロックを構えた守備は機能している。どれだけ意図して奪えるか
 
 現状では、守勢に回る時間帯が長くなるのはやむを得ない。しかし、自分たちの意図する形でボールを奪うシーンを増やさない限り、今後も苦しい戦いが続くことになるだろう。
 
 粘り強さが身上で、ブロックを敷いて相手を待ち受ける守備は、ある程度、機能している。プレシーズンマッチをとおして、また敗れた鳥栖との開幕戦でも、被シュート数、被決定機の数はともに、それほど多くなかった。
 
 とはいえ、ただ引いて守るだけでは、いずれ綻びが生じる。ミスや一瞬の隙を突かれてあっさりと失点するのは、プレシーズンから続く悪しき傾向だ。
 
 90分間をとおして集中力を保つことはもちろんだが、やはり押し込まれる展開のなかでも、自分たちの意図する形でボールを奪う機会をどれだけ作れるかが、今後のテーマとなりそうだ。
 

次ページ「勝利の確率の高いサッカー」でしぶとく勝点を積み上げていけば「残留」は見えてくる。

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