【日本代表】清武の活躍に闘志を燃やす香川。「結果を残さなければ評価されない」

2016年03月28日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「前半に自分の良さや、動きの質を上げてプレーすることが課題になる」

ハリルホジッチ監督の思惑通り、清武の活躍に香川も刺激を受けた様子。トップ下のポジションを守るうえでも、シリア戦のパフォーマンスは重要になる。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 疲労を考慮されて香川がベンチスタートとなったアフガニスタン戦、トップ下で先発した清武が4得点に絡む活躍を見せた。「(自分が)トップ下でプレーするイメージ」でゲームを見ていた香川は、引いて守る相手を崩すのに手を焼いた前半を受け、シリア戦では「前半の戦い方」がより重要になると感じたという。

「後半になれば必然とテンポが落ちてスペースもできる分、やりたいことはできるようになるけど、問題は前半をどう戦うか。シリア戦も前半は厳しい試合になるだろうし、ハードでコンパクトな守備をされたなかで、辛抱強く自分たちの良さや動きの質を上げていくことが、個人としても、チームとしても課題になる」

 ハリルホジッチ監督は、今回の3月シリーズで香川と清武を競わせ、さらなるレベルアップを図ろうとしている。これまでの実績は言うまでもなく香川が上だが、それはあくまで"過去"の話。立場が確約されるわけではない。清武がアフガニスタン戦で目に見える結果を残したことで、香川にとっても大きな刺激になったようだ。そして、自分にも結果が必要だと感じている。
 
「キヨ(清武)のプレーは良かったし、僕自身、参考にできる部分はあった。相手がどこであろうが、結果を残すことはすごく大事で、結果を残さなければ評価はされない。キヨが結果を残して、自分にとっても刺激になる」

 ただ、攻撃を司るポジションを担うだけに、香川は攻撃のプロセスの大事さも忘れていない。サイドを起点に攻撃が展開される場面を想定し、連係やパスのクオリティ上げることにフォーカスしている。
 
「チームの攻撃にどう加わっていくかという意味では、ボランチやSBとの関係性が大事になる。逆サイドにボールがある時に、ウイング、SBの動き出しの質と、出し手の質は高めないといけない。(トップ下は)結果が求められるポジションだけど、ゴールを焦らず、やることをやればチャンスは必ず生まれる。そこを決めるか決めないか。今年に入って(公式戦で)点を取れていないので、一度冷静になって試合に入りたい」

 2月にハリルホジッチ監督が欧州視察をした際、「お前は代表の中心としてもっとやらないといけない」と檄を飛ばされた。27歳となった香川も、自分の経験を考えれば「このチームでできることはもっとある」と感じている。再び、"不動の大黒柱"に返り咲くために、シリア戦はひとつのターニングポイントになるかもしれない。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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