「快く彼に手渡した」なぜ川崎のエリソンは“ハット目前”で山田新にPKを譲ったのか?「常に謙虚な気持ちでいないと」

2024年03月01日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「彼とともに戦っていきたい」

PKの場面でボールを山田(右)に返したエリソン(左)。(C)SOCCER DIGEST

 川崎フロンターレは3月1日、J1第2節でジュビロ磐田とUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで対戦。4-5で打ち合いに敗れた。

 この一戦で、3-4とリードされて迎えた85分、ペナルティエリア右で仕掛けた山田新が倒され、PKを獲得。この時点で2ゴールを挙げていたエリソンがキッカーを務め、決めればハットトリックを達成できる場面だが、自身が蹴りたかったのか、ボールを持っていたのは山田だった。

 最後、山田は持っていたボールをエリソンに渡そうとしたが、エリソンはこれを拒否。山田の背中を叩いて送り出した。

 結果的にキッカーを務めた山田は、右足で落ち着いてゴール左に決めて、自身の今季初得点を決めてみせた。
【動画】山田のPKシーン!
 試合後、エリソンはPKを譲った理由について、こう語った。

「常に謙虚な気持ちでいないといけないと親からも教えを受けているし、自分もエゴを強く持っているほうではないので。もし彼が自信を持って蹴りたいと言ってくれれば、もちろんそれは快く、彼に手渡したし、そこに関しては全然問題なく、彼にPKを蹴ってもらいました。

 一番重要なのは、自分たちがしっかりと団結して、助け合いながら戦うというところ。常に自分たちのグループは一人ひとりがサポートしないといけないものだと思う」

 続けて「とにかく今シーズン、彼とともに戦っていきたい」と語ったエリソン。この試合で2ゴールの活躍を見せ、今シーズン、ここまで公式戦4戦5発と絶好調だ。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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