絶好調をキープ! 小川航基&佐野航大が“ダブル鮮烈弾”でNECをカップ戦決勝へ導く!「嗅覚ですね」「撃った瞬間、すごいスローに見えた」【現地発】

2024年02月28日 中田徹

完全アウェーの中で輝いたふたりのサムライ

ともに値千金のゴールを決めた佐野(左)と小川(右)。アウェーでの快勝劇に歓喜を爆発させる。(C)Getty Images

 2月27日のKNVBカップ準決勝、カンブール対NECは「カンブール・スタディオンの最後のビッグゲーム」と謳われた。新スタジアムが完成間近ということもあり、現スタジアムは87年間の歴史に幕を閉じることが決まっている。2部リーグ所属のチームが決勝戦に進出すれば、NEC以来30年ぶりの偉業になる。
【動画】KNVBカップ準決勝で小川航基&佐野航大が決めた"ダブル鮮烈弾"をチェック!

 だから、試合は異常な雰囲気のなかで行なわれた。キックオフ10分頃から前半終了にかけて、大音量の花火がスタジアムのすぐ外から上がり続けたのだ。24分にはカンブールがCFウルドリキスのヘディング弾で先制し、スタジアムの盛り上がりに輪をかけた。

「あれはヤバイよ。あれはダメ。こんな仕打ちをするんだって...。花火がうるさくコミュニケーションが取れなかった。相手が1点取って、さらに雰囲気を作ってきた。『嫌なムードだな』と感じた」(小川航基)

「完全アウェーだった。花火で隣の選手の声も聞こえなかった。プレスのタイミングで俺が『ゴー!』って言っても全然届かない。そこでのズレが生じて難しい部分があった。花火の灰がけっこう目の中に入ったんです(苦笑)」(佐野航大)
 
 この逆境を日本人コンビがゴールで跳ね返した。

 60分、MFチャロン・シェリーがCKをニアポストに蹴り、小川がハーフボレーで同点ゴールを叩き込む。今季公式戦11ゴール目を決めたザ・ストライカーはポーカーフェイスを崩さず「嗅覚ですね」と言った。

「前に潰れる選手がいたりして、みんなの入るタイミングが良かった。でも良いゴールだったですね。チームとしてあのゴールはデカかった」(小川)

 ヒーローになったのは佐野。延長前半、右からの折り返しを、右足ダイレクトでゴール左隅に蹴り込んだ。

「なんにも考えてなかった。キーパーのポジションも何も見ず、ともかくゴールに向かって蹴ったら、キレイに当たってないんですけれど『入っちゃった』みたいな感じでした。撃った瞬間、すごいスローに見えた。シュートがスローだったのもあるんですが。すごく嬉しかった」(笑)
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