磐田のスタメン、ベンチ入りを巡る充実の競争力。横内監督は「序列は変えていけるもの、変えていかなきゃいけない」

2024年02月26日 河治良幸

ボランチのポジション争いは熾烈

大津氏から77番を受け継いだ藤原。藤枝戦でもギラギラしたプレーを見せていた。写真:河治良幸

 2月24日にホームで行なわれたJ1開幕戦で、昨シーズンのJ1王者であるヴィッセル神戸に0-2で敗れたジュビロ磐田。翌日にはJ2の藤枝MYFCと45×2本の練習試合が行なわれ、雨模様のなか、開幕戦でスタメンに入れなかった選手たちが、活気のあるパフォーマンスで次節以降の出場に向けてアピールした。

「いいでしょ。本当に良い競争で今、ここまで来ているので。僕も今日観ていて、寒かったですけど時間が経つの、早かったですね」

 横内昭展監督も嬉しそうに振り返った。神戸戦で途中出場だったMF中村駿やDF西久保駿介が1本目でプレー。ベンチ入りはしたものの、出番がなかった21歳のDF鈴木海音がキャプテンマークを巻いて、ディフェンスラインを統率した。

 前日にV・ファーレン長崎と0-0で引き分けた藤枝も、終盤に惜しいシュートを放ったFW中島大嘉を中心に、磐田のゴールに迫るシーンが目立ち、お互いがアグレッシブなプレーを見せた。

 合計スコアは磐田が3-2と勝利したゲームで、90分フル出場の選手もいれば、2本目から入った選手もいるが、怪我から回復途中の選手を除くトップチームの全選手がプレーした。

 1本目に得点したFWウェベルトン、右サイドからの果敢な仕掛けでチャンスを作ったMFブルーノ・ジョゼなど、神戸戦ではベンチ入りしなかった新加入選手もそれぞれが武器を出していた。

 若手選手ではトップ昇格3年目となるMF藤原健介も、ボランチで1本目、2本目で違う選手と組みながら、CKのキッカーとしてゴールを演出するなど、大津祐樹氏から引き継いだ77番を背に、ギラギラしたプレーを見せていた。
 
 特にボランチのポジション争いは熾烈で、神戸戦にスタメンで出た上原力也とレオ・ゴメスも"絶対"というわけではない。後半途中からレオ・ゴメスに代わり投入された中村も昨シーズンは福岡で、怪我をするまでの前半戦は中盤の主力を担っていた実力者だ。

 神戸戦を指標とすれば、彼らもここから、さらに強度やクオリティを上げていかいと、J1で戦い抜く支えになることは難しい。そこに藤原や、J2の昨シーズンは中盤の主力だった鹿沼直生などが、どう絡んでいくのか。

 その鹿沼は練習試合の1本目は左サイドバック、2本目でボランチを担い、チームの2点目を記録した。

 昨年も鹿沼は怪我人が出たセンターバックで起用されて、そこからアピールしてボランチの主力を掴んだ。「他のポジションやることで、ピッチに立つチャンスが増える。この先のサッカー人生を考えても、1つでも多くのポジションでできるのはプラスに捉えて、少しでも能力を上げるためにやっていきたい」と前向きに取り組んでいる。

 そして本来のボランチにポジションを移した2本目にゴールという結果を出したことは、横内監督も前向きに評価しているはずだ。

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