「早くトンネルを抜け出したい」7か月不発のキ―ル町野修斗は昇格争いの起爆剤になれるか。周囲の環境にも言及「いい人ばかりで助かっています」【現地発】

2024年02月20日 中野吉之伴

「うちのクラブでプレーするには良すぎるよ」

ドイツ2部で奮闘する町野。(C)Getty Images

 今季、ブンデスリーガ2部を首位で折り返したのが、昨夏に湘南ベルマーレから加入した町野修斗が所属するキールだ。

 シャルケ、ハンブルク、トッテナム、フルアムなどで活躍したベテランMFルイス・ホルトビーを中軸に、ベネディクト・ピヒラー、スティーブン・スクリプスキ、フィエテ・アルプのオフェンシブトリオが好調をキープ。攻守のバランスが噛み合ったことで、着実に勝点を積み重ねてきた。

 それまでずっと3、4部リーグにいたキールがブンデスリーガ2部へ初めて昇格したのが16-17シーズン。そこから7シーズン目で悲願となる1部昇格への可能性を感じつつあるファンも少なからずいることだろう。

 ただ、24年に入ってからブラウンシュバイク、フュルトに連敗。ピヒラー、アルプが負傷離脱した影響は少なくなく、攻撃が停滞気味になっているのが気になるところだ。
 
 ならば町野の爆発で不振脱出と行きたいところ。カタール・ワールドカップのメンバー入りも果たした日本代表FWがブンデス2部クラブを移籍先に決断し、27年までの4年契約にサインをしたというのは、少なからずの驚きをもたらした。

 キールのSDウーベ・シュテーファーは「町野修斗に移籍を決断してもらえて非常にうれしい。この移籍はクラブにとって偉大な歴史だ。ドリブルが巧みで、コンビネーションプレーも得意な修斗を獲得できたことで、チームのオフェンシブはさらにバリエーション豊かになるだろう」と喜びのコメントを残している。

 開幕からスタメンで起用されると、4試合で2ゴール・2アシストと結果を残す。キールファンの中には「うちのクラブでプレーするには良すぎるよ」と口にしていた人もいたほどだ。
【動画】左足ダイレクトで決めた町野修斗の移籍後初ゴール!
 だが、ここから下降線をたどりだす。サッカー専門誌『キッカー』の評価でも落第点をつけられ出し、10、11節でスタメンを外れ、出場機会もなし。12節オスナブリュック戦でスタメン復帰したものの、大きなアピールができないまま58分に途中交代。16節デュッセルドルフ、17節ハノーファーとの試合で再びスタメンを勝ち取り、上々のパフォーマンスを披露したが、今年に入ってからもまだネットを揺らせず、約7か月もゴールから遠ざかっている。
 

次ページ「時々孤独を感じてしまったり...」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事