【大学サッカー】日韓定期戦で日本が劇的な逆転勝利! 通算6勝2分5敗と勝ち越し

2016年03月21日 サッカーダイジェスト編集部

決勝点を挙げた重廣は、「とにかくホッとした」と顔をほころばせた。

ボランチの重廣が決勝点。ホームでの勝利を自らのゴールで掴んだが、「お互いにコミュニケーションをとらないと」と課題も忘れなかった。写真:JUFA/飯嶋玲子

 今年で13回目を迎える『DENSO CUP SOCCER 大学日韓(韓日)定期戦』。2004年に始まったこの大学サッカーの定期戦は日本と韓国で交互に開催され、今年は日本に韓国を迎えての一戦となった。
 
 これまでの通算成績は5勝5敗2分と、両チームまったく譲らず五分と五分。互いにホーム開催の試合では負けない試合が続いている。
 
 昨年、韓国で開催された大会では、日本が先制し、ついにアウェー初勝利かと思われたが、後半に2失点し逆転負けを喫した。
 
 ベンチからその敗戦を見ていた主将の重廣卓也(阪南大)は大会前、「日本開催の試合で、絶対に負けるわけにはいかない。あの時の悔しさをぶつけたい」と意気込んだ。
 
 しかし前半は韓国に圧倒される展開となった。日本は球際の競り合い、スペースの使い方、セカンドボールへの対応、すべてにおいて韓国に主導権を握られて苦戦。ボランチの重廣も低い位置でしかボールを持てず「前半は攻守の距離感のまずさを修正できなかった」と悔やむ。
 
 26分にカウンターから先制点を奪われて0-1のまま前半を折り返すと、日本は後半、裏への抜け出しに強い中野誠也(筑波大)を投入。重廣も積極的に前線に顔を出してチャンスを作る。
 
 しかし、たびたびの決定機もゴールに結びつけることができず。日本がホーム初黒星を喫するのかと思われた82分、宮崎純一監督が動く。「10分でも結果を出せる集中力のある選手」という松木駿之介(慶應義塾大)を左サイドに投入する。
 
 松木投入から5分後の87分、ついに試合が動く。ロングスローからボールを中野が勢いよくヘディングで押し込んで同点にすると、2分後の89分、左サイドからゴール前まで突破した松木のマイナスのパスを、重廣が冷静にミドルで突き刺して日本が逆転に成功する。
 
「最後まで相手ディフェンダーの位置を見ることができたので、相手のいないスペースに落ち着いて蹴ることができた」(重廣)。まさに狙い通りの一撃だった。
 
 試合後、重廣は「とにかくホッとした」と顔をほころばせた。2017年のユニバーシアード台湾大会を目指すメンバーとしては、前回のユニバー代表の唯一の生き残り。前回に比べると「まだ厳しさが足りない」とも感じているが、そのためには自分が動くことが必要だとも痛感している。
 
「もっと味方がなにをしたいのか、僕がなにをしたいのかお互いにコミュニケーションをとらないと」(重廣)
 
 勝利は収めたものの課題が浮き彫りになった今大会。「今日のこの試合を次にステップアップできる試合にしたい」(重廣)と、ユニバーに向けて、チームを牽引する強い意識をのぞかせた。
 
取材・文:飯嶋玲子(フリーライター)
 
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