【現地発】ネイマールやC・ロナウドが着用! ナイキが「糸」から開発されたブラジル、フランス、イングランドなどの新キットを発表!

2016年03月18日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

何を着ているかわからないくらい、競技に集中できるものを作った。

日程の関係で男子のサッカー選手は不在だったが、世界中から様々な競技のトップアスリートが集結。とりわけNBAのトップ選手であるケビン・デュラント(前列右から4番目)の登場は会場を沸かせた。(C)NIKE

 現地時間3月17日、『ナイキ』がアメリカのニューヨークでメディア向けのローンチイベント「イノベーション・サミット2016」の2日目を開催した。
 
 フルオーケストラが4つ打ち音楽を奏でるという壮大な演出の中、NBAのスーパースターであるケビン・デュラントをはじめとした世界各国のアスリートたちが登場。EURO2016やコパ・アメリカ・センテナリオ、リオデジャネイロ五輪などで着用するサッカーや陸上、バスケットボールなどのナショナルチームキットが、初お披露目されたのだ。
 
 サッカーはEUROに参加するフランス、イングランド、ポルトガル、トルコ、クロアチア、コパ・アメリカ・センテナリオとリオ五輪に参戦するブラジル、コパ・アメリカ・センテナリオに出場するチリ、アメリカという8か国のキットを発表。先進的な「ナイキ エアロスイフト テクノロジー」を採用した「ナイキ ヴェイパーキット」と名付けられた新たなユニホームの特長をナイキのクリエイティブディレクター、マーティン・ロッティはこう説明してくれた。
 
「これまでは素材をベースに考えていましたが、今回は初めて糸の開発からスタートしました。何百という糸を作り、顕微鏡を使うような繊維レベルの研究を進めました。結果、立体感があってザラ付きのある糸を選びました。ザラつきが水分を吸収し、肌触りも素晴らしかったからです。従来のキットと比べて汗の吸い上げが20%、速乾性が25%、伸縮性が50%アップしています。さらに、糸自体が非常に強く、隙間が少ないため素材量が減り、10%の軽量化にも成功しています」
 
 糸と同じく革新的なのが、精密な編み方だ。スパイクやスニーカーの市場に大きな革新をもたらした「ナイキ フライニット」と同じく通気性が必要な箇所には一重編み、強度が必要な箇所には二重編みをほどこし、これまでのようにレーザーで穴を作らずとも、通気性とフィット感の両立を実現している。
 
 また、今回は史上初めてジャージと同じ素材をショーツに採用。素材の伸縮性が著しくアップしたことによって、複雑かつ大きな動きが多い下半身の動きにも対応できるようになったからだ。さらにソックスにも「ナイキ グリップ テクノロジー」を採用し、ソックスの内外両面でトラクション力が向上。ナイキ・スパイクのマイクロファイバー中敷きと連動し、スパイク内でのスリップを防ぐ。
 
「アスリートからは、『とにかく速くなりたい』という意見が多いです。だから、システムとして速さを作りたいと考えました。ユニホームからスパイクまで一体として捉え、何を着ているかわからないくらい、競技に集中できるものを作ったと自負できます」(ロッティ氏)

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